お米に魅了されて新聞記者から米農家に転身し、現在は「お米ライター」として活躍する柏木智帆さんのお米コラム。今回は、千葉・南房総市が週5回ご飯の給食を提供している理由に迫ります。
文・写真=柏木智帆
増えつつあるご飯給食
かつての学校給食はコッペパンが主食でしたが、昭和後半から導入され始めたご飯給食が緩やかに増えていき、現在では平均で週3.5回はご飯給食になっています(令和3年度)。
一方で、お米の消費量は長期的に見ると減少傾向で、家庭でお米を食べる機会も減っています。
米離れが進み、主食も多様化している現代だからこそ、食育の場である給食ではご飯を主食とした給食を子どもたちに提供していく。そんな思いで、毎日(週5回)ご飯給食を提供する「完全米飯給食」を実施している自治体が広がっています。
農林水産省が2020年に行った「米の消費動向に関する調査」によると、「未来の子どもたちに食べさせたい理想的な主食」の問いに、92%が「ご飯」と答えるなど、お米そのもののイメージは良いようです。
お米はよく噛むことで唾液の酵素と反応して味が感じられるので咀嚼回数が増えるほか、粒食のため消化吸収がパンよりも穏やかで食後に高血糖になりにくく、腹持ちもいいという利点があります。そして、ご飯が主食の場合、味噌汁や煮物、お浸し、焼魚、煮魚など、食卓全体の脂質が抑えられるという利点もあります。
文部科学省の学校保健統計(2024年度)によると、小学6年の男女と、小学4年から高校3年までの男児は、10人に1人以上が肥満傾向です。子どもの健康が問題となっている中、ご飯給食が果たす役割は非常に大きいのではないでしょうか。
「栄養素の帳尻合わせはやめよう」
千葉県南房総市でも、2011年度から完全米飯給食を始めました。それまでご飯は週3回でしたが、「食は文化」という理念のもと、三幣貞夫教育長がトップダウンで改革を起こしたのです。
