赤ちゃんを守るお母さんラッコ

ちなみにラッコの赤ちゃんはまだ毛が生えそろってなく、冷たい海では生きていけない。

そのため母親は赤ちゃんを常にお腹の上に乗せ、食べ物を取りに海へ潜るときだけ海面に置いていく。

食べ物をとったらすぐに戻り、赤ちゃんの濡れたところを手入れしたり、息を吹きかけて温めお腹の上に戻すという。

「お母さんも赤ちゃんラッコをとても大事にします。海に置いていくと、カモメなどに襲われる危険もあるので、お母さんは大急ぎで赤ちゃんのもとに帰ってきます」

 次の生態トリビアは、「なぜ、道具を使うようになった?」。さらなる奥深いラッコの世界に足を踏み入れよう。

『おいでよ!ラッコ沼への招待状』(世界文化社)

今泉忠明
1944年、東京都生まれ。哺乳類動物学者。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。上野動物園の動物解説員、ねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長などを歴任。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『パンダ沼への招待状』(世界文化社)など、多くの書籍監修を手がける。

今泉忠明
今泉忠明

1944年、東京都生まれ。哺乳類動物学者。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒業。上野動物園の動物解説員、ねこの博物館館長、日本動物科学研究所所長などを歴任。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『パンダ沼への招待状』(世界文化社)など、多くの書籍監修を手がける。