仲間との楽しい時間やおめでたい席に欠かせない、お酒。しかし、付き合い方を誤れば心身に大きなダメージが及ぶ。自らの身を守るために取り入れたい「お酒との付き合い方」について、依存症を専門とする精神科医・松本俊彦さんに解説してもらった。

アルコールはれっきとした薬物

お酒は祝いの席や友人らとの集まりに欠かせない、私たちにとって非常に身近な存在です。これは人類の歴史を振り返っても明らかな事実です。しかし、お酒を楽しむためにはその危険性も認識しておかなければなりません。

WHOは、アルコールの有害な摂取により、世界で年間約260万人が死亡していると発表しています(2024年)。これは全死亡のうちの4.7%にあたります。

お酒は肝臓や膵臓、胃や食道などさまざまな臓器に対して悪影響を及ぼす、れっきとした薬物です。アルコールの害が中枢神経系の脳に及べば意識障害に陥り、回復した後も認知症に至る場合があります。そして、継続的なアルコールの過剰摂取は脳自体の萎縮にもつながるのです。

飲みすぎで「うつ状態」に?

アルコールの過剰摂取は、メンタルにも悪影響を及ぼしかねません。なかでも広く見られるのは、アルコールが原因のうつ状態です。

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常に意欲が湧かず、だるくて疲れた状態になってしまう。通常のうつ病ならば抗うつ薬を飲むことで改善する場合もありますが、アルコールによるうつ状態は、抗うつ薬をいくら飲んでも良くなりません。