トランプ大統領が国民向けの演説を行い、イランに対して強硬な姿勢を示す一方、ホルムズ海峡の安全確保については「日本などにやらせればいい」と発言し、波紋を広げています。出口戦略が見えないまま続く緊張状態について、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では元毎日新聞記者のノンフィクションライター・石戸諭氏が解説した。
■「新しいことが何もなかった」出口戦略なき演説
トランプ大統領は演説でイランへの強硬姿勢を改めて示しましたが、ノンフィクションライターの石戸さんは、この演説のポイントを「新しいことが何もなかったこと」だと指摘する。
「言ってること自体はもうほんと繰り返しなので、結局のところトランプ政権は今この状態をどういうふうに落とし込んでいくのかっていう、もう具体的な出口戦略っていうのがもう何もないっていうことが分かった」と石戸さんは分析。このため、状況がまだまだ長く続きそうだと市場も判断し、大きな反応は見られなかったと解説した。まさに「落としどころが見えない」状況が浮き彫りになった形。

■ホルムズ海峡の安全確保は「お前れがせえよ」
特に注目されるのが、ホルムズ海峡の安全確保に関する発言です。トランプ大統領はこれを「日本などにやらせればいい」と述べた。
この発言の背景について、石戸さんは「ホルムズ海峡を使ってる国は、ちゃんとそこの安全保障もやるべきだろう。アメリカはあんまり使っていないので我々は関係ないというのがトランプさんの意見」だと指摘。つまり、日本や中国、韓国といった利用国が自ら安全を確保すべきだというスタンスが浮き彫りになった。
しかし、日本が自衛隊を派遣することについて、交戦中の地域に自衛隊が行くことは難しいのが現実。石戸氏は「普通に考えたらアメリカとイスラエルが始めた攻撃ですからね。それまでは安全に通れてたわけだから、それを回復させる義務は基本的にはアメリカとイスラエルにあるだろうっていうのが、一般的な反応だと」と、責任の所在について疑問を呈した。

■停戦交渉のボールは「アメリカ側」
一方、イラン側は交渉の余地を残す姿勢を見せています。イランのペゼシュキアン大統領は先月31日、「アメリカとイスラエルのイラン攻撃によって生じた状況を正常化する唯一の解決策は、侵略者が攻撃を停止することだ」と述べ、「侵略の再発を防ぐための保障が満たされれば戦争を終わらせる決意を持っている」と話した。
このメッセージについて石戸さんは、「攻撃をやめてくれるんだったら終わらせてもいいということは、ボールはアメリカ側に投げられてるっていうふうに見たほうがいい」と分析する。
しかし、交渉の道のりは平坦ではない。アメリカが良い条件を出しても、イスラエルが反発する可能性も指摘されている。さらに、原油高はアメリカ経済にも直撃し、物価上昇は有権者の不満につながる。支持率の低下を懸念するトランプ大統領は、自ら出口戦略を見出さなければならない難しい状況に置かれているが、今回の演説ではその道筋が全く見えてこなかったのが最大の問題点だと、石戸さんは繰り返し強調した。

戦略が見えないまま強硬姿勢を繰り返すトランプ大統領。原油高とそれに伴う支持率低下という内政問題のプレッシャーの中で、今後どのような判断を下すのか、予断を許さない状況が続く。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月2日放送)

