俳優・とよた真帆さんは、「犬を飼いたい」と思ったときに、保護犬を迎え入れるという選択をした。しかし当初は、ちゃんと世話ができるのか、先住猫たちと仲良くしてくれるかが心配で躊躇していた。
そんな中出会ったぱるるは、おっとりした性格。「この子なら先住猫たちともうまくやっていける」と確信したという。
そんな、愛犬ぱるるとのストーリーを別冊天然生活『保護犬と暮らすということVOL.2』より、一部抜粋・再編集して紹介する。
自分に犬が飼えるのか、5年間悩みました。
とよた真帆さんとぱるるは、リビングのソファでくつろぐことが多い。
「座面が高いので、ソファのそばにクッションを階段状に積み、ぱるるが登りやすくしています」
ここでぱるるに言葉を教えることもあるという。
「賢くて、単語を覚えられるんです。『ゾウさんを持ってきて』というと、おもちゃのなかから捜して持ってきます」

大の猫好きで、これまで8匹もの保護猫と暮らしてきたとよたさん。犬を飼うときに保護犬を選んだのは、とても自然な流れでした。しかし、犬を飼うまでに5年間も悩んだといいます。
「自分の生活を犬に合わせられるか、世話をする責任を果たせるかどうか、ずっと考えていました。
猫はあまり構わなくても平気だけど、犬は毎日散歩に行かないといけないし、ごはんをちゃんと量って与えないと食べすぎてしまいます。何より、犬と猫たちの相性が合うか心配でした」

飼う覚悟を決めることができたのは、おっとりした性格のぱるるに出会えたから。この性格なら、猫たちとうまくやっていけると思えたのだそう。
予想どおり、ぱるるが家に来たその日から、ぱるると猫たちはいい雰囲気に。3〜4日目には、一緒に暮らしていけると確信しました。

ぱるるが特に仲がいいのは猫のこりんちゃん。こりんちゃんの耳の中をなめたり、グルーミングをしてあげたり。
「家庭のなかに仲良しがいっぱいいると、うれしい気持ちになります」
ぱるるに足を踏まれても怒らないこりんちゃん。
「ぱるるは『猫は自分のいうことを聞く』と思っているんです」とほほ笑む。
人生の彩をたくさん与えてくれる、かけがえのない存在。
ぱるるは先天的に脚が悪く、初めの1カ月間は、レーザー治療のため毎日病院に連れていきました。
いまでも負荷がかかる下りでは抱っこするなど、散歩時には注意が必要です。

皮膚病もあり、薬で治るまでは週2回のシャンプーが欠かせませんでした。さぞかし大変かと思いきや、「苦労と感じたことはありません」と即答。
「ひたすら心配していました。親が子どもを思う気持ちと似ているのかなと思います。ぱるるがいない生活は考えられないくらい、毎日、とても幸せです。保護犬を救ったようで、私が救われたと感じるほど、ぱるるから人生の彩りをたくさんもらっています」

現在とよたさんは、東京・有明にあるミニチュア・テーマパーク施設「スモールワールズTOKYO」で、動物愛護活動に取り組んでいます。月に一度、保護犬・保護猫の譲渡会も行っています。
「保護犬を迎え入れるということはとても素晴らしいことです。でも、そういうことがなくてすむような、保護犬がいない世の中になってほしいなと思います。そのために私にできることは、精いっぱいがんばりたいです」

とよた真帆(とよた・まほ)
俳優、モデルとしてテレビや映画、舞台などで活躍中。DIYや石集め、絵を描くなど多趣味な一面もある。著書に『もふもふ猫まみれ』(講談社)
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撮影/とよた真帆