保護された犬や猫の「一時預かりボランティア」として、行き場を失った犬や猫に新しい飼い主を見つける活動を行う、長崎県在住のtamtamさん。

インスタグラムに自身の体験談をマンガにして投稿した作品が、世界文化社からコミックエッセイ『たまさんちのホゴイヌ・ホゴネコ』シリーズ第3弾として出版された。

本書では、保護活動に向き合うtamtamさんと4匹の老犬、寄りそう人々が命をつないでいくエピソードがつづられている。

その一つが、動物愛護センターにいた寝たきりの老犬「福くん」のエピソード。このストーリーはtamtamさんがセンターの職員たちから聞いた話をマンガにしたものだ。

優しさと愛に触れた老犬「福くん」

ある日、畑の中で発見された「福くん」。衰弱し、立つことすらもままならない老犬だった。それから、長崎県佐世保市にある佐世保市動物愛護センターへ移送された。

『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より
『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より
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動物愛護センターと聞くと、「殺処分をする場所」という認識も強くあるだろう。しかし、「福くん」と名付けられた老犬の笑顔を取り戻そうと、動物愛護センターの職員は必死に福くんをケアした。

飲み込みやすいように工夫されたペースト状の食事を提供したりするなど、福くんは職員たちの優しさや愛に包まれていたという。

『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より
『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より

保護当時は表情もなかった福くんだったが、歩行補助用のハーネスをつけたことで「立ちたい」という強い意思を示し、ゆっくりと歩き始めていく。

『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より
『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より

本書にはtamtamさんの言葉で「飼い主に手放されたであろう福くんを支えていたのは、いつも温かくて優しい職員さん達の手だった」とある。