抜群の保温性は2つの毛にあり
さらに深掘りしていくと、「アンダーファー(綿毛)」と「ガードヘアー(刺し毛)」に秘密があるという。
動物にはアンダーファーとそれを守るガードヘアーがあり、私たちが目にする動物の長い毛がガードヘアーで、アンダーファーのすり減りを防ぐ役割も。
「ちなみに人間はガードヘアーだけですよ。アンダーファーがあったら暑くてたまりません」
ラッコはアンダーファーが場所によって10~110本生えていることで、毛の密度が増し、皮膚に水が触れず極寒の海でも生きられるようになった。
もし水族館などでラッコを目にする機会があれば、毛についた泡がキラキラと反射して、体全体が白っぽく輝く姿をぜひ見てほしい。
さらに、「ラッコの毛皮はミンクよりもずっといいものなのです」と今泉さん。
その毛皮の保温性を知っていたのか、徳川家康に献上されたという記録が残っている。海外でも毛皮が高値で取り引きされるなど、乱獲の原因になったという。