災害発生時に備えて「非常用持ち出し袋」を用意している家庭も多いだろう。
では、そこに「メガネ」を入れている人はどれくらいいるだろうか?
自宅外での避難生活などが続いた場合、特に、普段コンタクトを着用している人は「メガネがなくて困った…」という状況に陥るリスクが大いにある。メガネの人も、メインのメガネが破損してしまう可能性もある。

コンタクトとメガネユーザーの災害時のリスクと備えについて、埼玉・行田市のメガネ店「サカタメガネ」店主の坂田頼彦さんに聞いた。
(たった2つ!似合うメガネの条件はこちらの記事で)
災害時はコンタクトの使用が難しい
まず、大きな災害発生時にメガネがないと困ってしまうのは、普段はコンタクトレンズをメインに使っている人だ。
「コンタクトレンズには専用の洗浄液・保存液が必要になりますし、1日使い捨てコンタクトレンズはストックの用意も必要なため、避難先等では継続使用が困難になる可能性もあります。実際に東日本大震災の発生時には、『「1日使い捨てコンタクトレンズを替えずに何日も使って眼の具合が悪くなったが、近所の眼科も閉じていて治療を受けられない』という事例も報告されています」

その東日本大震災の発生から10日後に、日本コンタクトレンズ学会がホームページに掲出した文書にはこう書かれている。
・被災地では、衛生面で様々なことが危惧されます。出来るだけ、眼鏡に切り替えるようにしてください。
・コンタクトレンズ装用は(1)水道水が使用可能となり(2)安定した医薬品の供給がされ(3)眼科医への受診や相談が可能な状況が整うまでは、原則として中止をしてください。
「メガネは保存液なども必要なく、着用により眼にトラブルが起こる可能性はコンタクトレンズより低いです。またコンタクトレンズを継続使用できる状況だとしても、寝る前などはメガネをかける方が多いでしょうから、コンタクトレンズユーザーの方は、災害時に使えるメガネの用意をオススメします」