28頭の父親になったウィリー
■28頭の父!ビッグファーザーのウィリー
はじめて日本の水族館にきたラッコたち。そのうち1頭が、ウィリーでした。野生出身で、来館時の推定年齢は6歳。ほかのラッコたちは展示されていなかったので、ラッコプールにはしばらくウィリーがポツンと浮かんでいました。

しかしウィリー来館の1年後、メスのラッコ4頭(プリン、カーラ、トム、マミー)が到着!ウィリーはさみしかったのかもしれません。メスたちが到着するなり1頭ずつ強く抱きしめたそうです。
しかし長旅の後にいきなり強くスキンシップされるのはストレスにつながるので、2ヶ月ほど別々に過ごし様子を見守られました。
すると、野生時代に妊娠していたプリンが出産!その後、ウィリーは4頭それぞれの子どものお父さんになりました。それだけではありません。ウィリーは生涯を全うするまで、なんと28頭のお父さんになったのです。
第1次ラッコブームの到来
【1984年:はじめての赤ちゃんが誕生!第1次ラッコブーム到来!!】
伊豆・三津シーパラダイスにラッコがきてから1年後、三重県の鳥羽水族館でもラッコの飼育がはじまりました。そしてそのわずか約5ヶ月後、鳥羽水族館で、日本の水族館ではじめてとなるラッコの赤ちゃんが誕生しました!
ふわふわの毛をまとったぬいぐるみのような赤ちゃんに、日本の人々はもうメロメロ。この赤ちゃんの誕生をきっかけに、道具をつかう習性や両手をつかってグルーミングする愛らしくめずらしい生態が日本中に大きく知れ渡りました。
当時はバブルまっさかりで景気がよかったことも重なり、熱狂的なラッコブームが巻き起こります。赤ちゃんラッコがいる鳥羽水族館の入館者数は、年間約80万人から200万人ほどに急増。たくさんの人々が押し寄せました。