高齢者による医療費の窓口負担を原則3割に拡大すべきという議論が、国で本格化している。人によっては負担が3倍にもなる、この議論の背景には何があるのか?
「薬代が1000円以上上がる」
福岡の街なかで高齢者に聞くと「1割負担が3倍になりますので、例えば1万円だったら、3万円になるんですよ」(70代・男性)。「豪華って感じで、たまに2人で出かけるんですけど」「こういうランチとかやめないかんね」(70代・女性2人組)。「僕の場合は、薬代が1000円以上上がるやろうね」(70代・男性)と一様に渋い表情を見せる。

高齢者たちから不安の声が続出しているのが『高齢者による医療費の窓口負担原則3割へ』だ。

4月に開かれた社会保障に関する会合で、財務大臣の諮問機関が、高齢者による医療費の窓口負担を「可及的速やかに、現役世代と同じ、原則3割にすべき」と提言したのだ。

現在の窓口負担は基本的に、69歳までが3割、70歳から74歳までが2割、75歳以上は1割となっている。

その背景にあるのが年々、膨れ上がる社会保障費。2026年度は、39兆円余りに達する見込みで、現役世代への負担が課題となっているのだ。

社会保障改革を強く訴えている日本維新の会は『高齢者による医療費の原則3割負担』を公約に掲げていて今後、議論が本格化していくことになる。
医療費負担拡大 受診控え病状悪化
「現在、医療費の負担は1割。3割は、ちょっと無理かなと思うけど、しょうがないと言えば、しょうがない」(80代・女性)。

「年金生活者だから節約すると言ったって、たかがしれているし、飲み代を削るしかないんやない?面白くないけどね」(70代・男性 1割負担)。

「通院していますよ。糖尿病とかその他、諸々です。医療機関への受診差し控えが続出すると思いますよ」(70代・男性 2割負担)。

高齢者の患者が全体の7割ほどを占めるという福岡市内のクリニックの医師は、医療費の負担拡大が、受診控えを招き、結果的に病状が悪化することを危惧している。

「病気の早期発見、早期治療に繋がらないということになってくるので、急に悪くなってすぐ入院しなきゃいけないだとか、いろんな治療をしなきゃいけないということになると医療費全体の負担が場合によっては増える可能性も…」(『やまもとホームクリニック』山本希治・院長)。
(テレビ西日本)
