「いろいろな保護団体がありますがどの団体も、その子にふさわしいか見極めていると思います。いろいろと質問して条件を提示するところもあると思いますが、私の場合は10年20年先を考えているか、を見ています」
例えば、「アレルギーになったら」「世話ができなくなったら」「経済的に困ったら」といった質問を重ねていく。
「多くの人は『そんなことにはらならい』とおっしゃいますが、でも実際に手放された子たちの多くは、『こうなるとは思わなかった…』なのです。新たな飼い主の方には、何かが起こってから考えるのではなく、その前にどれだけ考えられるかを見ています」
飼い主の事情などで手放された多くの犬や猫が、再び新たな飼い主から同じ経験をすることのないようにしたいという思いもあるtamtamさん。もちろん、初めからすべてを想定できるわけではないが、心構えとして持ち、「家族の一員」としてどこまで新たな飼い主が行動できるか、を判断基準にしているという。
いきなり山登りしないのと同じ
そして、保護犬や保護猫を迎えよう、ペットショップで買おうなど、これから動物を飼おうと考えている人には「覚悟よりも、準備をしてください」とアドバイスする。
「私はよく山登りで例えています。いきなり『山を登る』と言うと、『その格好で?』『その靴で?』『知識は?体力は?』となると思うんです。山登りも準備が必要なのと同じで、犬や猫など動物を飼う際に、自分たちが飼えるのか、どういった子なら迎えられるのかをしっかり考えて迎え入れてほしいです」

その迎え方は、ペットショップで買う、譲渡会などで保護犬・猫を迎える、そこに大きな違いはないと話す。さまざまな生い立ちを背負った保護犬や猫は飼育が難しいと思われがちだが、あくまで飼いやすさは個体差によるもので、ペットショップで迎えても変わるものではないという。