北アルプス立山の室堂において、クマの出没が相次いでいる。観光客でにぎわう室堂ターミナル付近で、人々の目の前をクマが横切る事態が発生し、警戒が続いている。

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観光客の目前を横断、BBT情報カメラが捉える

9月15日、室堂ターミナルに近い場所で観光客の目の前をクマが横切る様子が確認された。そして16日午後4時19分頃、立山室堂に設置されているBBTの情報カメラがその姿を捉えた。

クマの出没場所は室堂ターミナルからわずか100メートルの距離。茂みから現れたクマは遊歩道を横切り、再び茂みの中へと移動していく様子が確認された。登山客とクマの距離は数十メートルあったものの、突然の出現に登山客が驚く様子が見られた。

目撃した人は「けっこう大きかった。成獣だと見て分かった。走り出していくことはなかった。ゆっくり移動して沢の草とかを食べていた」と証言している。

環境省と県警山岳警備隊が監視体制

室堂ターミナル周辺で目撃されたクマは、午後6時前までに浄土沢の茂みに入っていったことが環境省の国立公園管理官によって確認された。

さらに16日午前10時半頃には、室堂ターミナルからおよそ1.5キロ離れた雷鳥沢近くで再び目撃情報があり、環境省と県警山岳警備隊が監視にあたった。

雷鳥沢でクマを監視していた環境省国立公園管理官の内野祐弥さんは「今、監視中で」と述べ、クマが近くにいることを確認。記者からの「クマが前にいるんですか?」との質問に「はい、います。近くの登山道に(人が)数人いますが、それなりに距離はとれている。(クマが)人の利用しない所に抜けるのであれば(監視体制を)解除します」と答えた。

クマの監視体制は正午過ぎに一旦解除されたという。

今月に入り目撃相次ぐ、警戒呼びかけ

室堂では今月に入り、同じ個体とみられる成獣のクマの目撃が相次いでいる。環境省や県、県警山岳警備隊は登山者や観光客に警戒を呼びかけている。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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