ハンガーラックと衣装ケース、どちらでも気を付けてほしいのが「湿度のコントロール」だ。カビの原因となる湿気は衣類の大敵。付いたしわも取れにくくなるそうだ。

湿度は60%以上が注意で、理想は40~60%の間。除湿剤を使いつつ、ときどき空気を入れ替えるのがお勧めだ。特に梅雨から夏に変わるタイミングはリスクが高くなるそうだ。
低温で乾燥させてみよう
ケアや保管に気を配っても、経年劣化は避けられない。お気に入りのコートを長持ちさせる、ちょっとした習慣も聞いた。

ダウンコートなど、ボリュームのある製品が弱ってきたら「低温で乾燥させる」のがお勧め。詰め物に使われている素材が膨張し、ほぐれやすくなるという。
高温でかけると逆に傷むことがあるので、50℃前後の低温を当てることがポイント。コインランドリーにある乾燥機の「低温モード」を使ったり、ドライヤーを遠目から当てたりすると、ふっくら感を取り戻しやすいそうだ。

コート全般としては「ブラッシング」が効果的。虫や汚れを落とすことで、虫食いのリスクを減らすことができるほか、毛並みを整えたりもできる。
帰宅後はすぐにブラッシングする習慣を続けると、長持ちも期待できるそうだ。
買ったからには大切に使い続けたいコート。“どんなダメージから守りたいのか”を決めてケアをすれば、愛着も湧き、長持ちさせるきっかけになるかもしれない。

神崎健輔(かんざき・けんすけ)
28歳で脱サラ後、現在は実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長、IT企業の株式会社「クラスタス」CTO、全国どこからでも受注が可能な宅配ネットクリーニングサービス「Nexcy」を開発しCTOを務める。「クリーニング師」の国家資格を持ち、「洗濯ハカセ」として家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信する洗濯のプロフェッショナル。