暖かくなるとコートをしまうことになるが、次のシーズンに着ると「着心地が悪くなったな」という経験をしたことはいないだろうか。
クリーニング師の国家資格を持つ「洗濯ハカセ」こと、神崎健輔さんいわく、コートは「しまう前の備え」で傷みやすくなったり、長持ちしたりするという。
衣替えの時期に知っておきたい、しまい方のコツを聞いた。
コートは手入れ次第で長持ちする
神崎さんによると、衣類は種類によって“きれいに着られる基準の年数”があり、コート類は素材で変わってくるという。
動物系(ウールなど)の素材がメインなら「3年」、その他(ポリエステルや綿など)の素材がメインなら「4年」が目安となる。

「この期間を過ぎると、劣化や何かしらの傷みは起こりやすくなります。ただし、きちんと手入れをすることで長く、10年でも20年でも大丈夫な場合もあります」
傷みやすくなる3つのきっかけ
しかし、少しのきっかけで一気にダメージを受ける場合も。神崎さんが「注意してほしいきっかけ」として挙げるのは次の3つだ。

(1)湿度が高い場所で保管する
湿度が高いと、コートの中綿などがしぼみやすくなる。衣装ケースに詰め込んだり、隙間なくハンガーラックに掛けたりしていると、ぺたんこになってしまうケースも。
(2)変色する環境で放置する
汚れを放置したり、日光にあたる場所で保管したりすると変色を起こしやすい。クリーニング後のカバーを付けたまま保管するのも、カビの発生や異臭、変色などにつながる。

(3)家庭用洗濯機で無理に洗う
家庭用洗濯機の通常モードで無理に洗うと、コートの中綿が縮んだり、偏ったりする可能性がある。綿は縮むと戻りにくいので「ふっくら感」が失われてしまうことも。