これからオフシーズンを迎える今、どんな「しまい方」が望ましいのだろうか。
コートは目立つ汚れがなかったりすると「洗わなくても大丈夫」と考えがちだが、神崎さんは「1回でも着たら洗いましょう」とアドバイスする。
襟と袖口は必ず汚れるもの
「襟と袖口に皮脂汚れは必ず付きます。汗や汚れを放っておくと、次のシーズンには変色していたりして、コートが傷む原因になります」
汚れは放置すると洗濯しても落ちにくく、クリーニング代が割高になることもあるそうだ。

そのため洗濯が必要だが、家庭用洗濯機が使えないコートもあるので、タグにある「洗濯表示」を確認するようにしたい。
家庭用洗濯機が使えるコートなら、型崩れしないようネットに入れて「弱」「ドライ」「デリケート」モードで洗うのがお勧め。ハンガーにかけて、しっかりと陰干しもしておきたい。
「家で洗いづらいもの、高級品(金額が1万円を超えるようなもの)など、トラブルが起こると心配なものは、クリーニングに出してもいいかもしれません」
どっちを選ぶ?2つの保管方法
保管方法も大切だ。コートのしまい方は「ハンガーラックに掛ける(クローゼットに入れる)」、「たたんで衣装ケースにしまう」に分かれる。
それぞれメリット・デメリットがあるので「何からコートを守りたいか」で選ぶといいそう。

ハンガーラックやクローゼットを使うメリットは「しわになりにくいこと」。すぐに着られる手軽さもある。デメリットは「紫外線によるダメージを受けやすいこと」。
衣装カバーを被せたりしても、扉を開け閉めするタイミングなどで、日光による変色のリスクがあることを頭に入れておきたい。
また、隙間なく掛けたりするとコートが圧迫され、中綿がしぼむ原因に。湿気による異臭の原因となる可能性もあるそうだ。

衣装ケースのメリットは「防虫剤の効果が発揮しやすいこと」。動物系の素材など、虫食いが気になる場合は有効だ。デメリットは「たたみじわがつきやすくなること」だという。
「洋服に対する思い入れもそれぞれにあると思います。自分の価値観に応じた保管をしてもらえれば十分かなと思います」