メジャーリーグを楽しむ上で欠かせないのが、米で大人気のMLB公式アナリストで「ピッチングニンジャ」の愛称で知られているロブ・フリードマンさんだ。
豊富な知識と分析力に長けているだけでなく、選手の魅力も発信。SNSのフォロワーは150万人にも及ぶ。
そんな彼の初著書『ピッチングニンジャの投手論』(扶桑社)から「ピッチングニンジャ」の誕生秘話を一部抜粋・再編集して紹介する。そこには日本文化への“愛”もあった。
「ニンジャ」のあだ名は息子がきっかけ
Pitching Ninja(ピッチングニンジャ)は、私のニックネームです。SNSのハンドルネームでもあり、今ではすっかり浸透しています。由来は、忍者という名前のとおり、日本と繋がりがあります。
私の妻パトリシアはアメリカ人の父と日本人の母を持つ日系二世で、息子ジャックは日本人の血を4分の1引いているクォーターになります。

発端は、私が息子の少年野球チームで私が投手コーチを務めていたときのことです。ある寒い日の練習で、息子が顔にバンダナを巻いてプレーをしていたところ、周囲から「忍者みたいだ」とからかわれたことがありました。
日本人の血を引いているからそう言われたのでしょうが、息子はジャックという名前からCrackerJack(クラッカージャック)というニックネームで呼ばれていたのを気に入っていました。
クラッカージャックはスナック菓子のブランド名が由来ですが、スラングで「非常に優れたもの」「素晴らしい人」という意味があります。
有名な『Take Me Out to the Ball Game(私を野球に連れてって)』という曲の歌詞にも登場するように、ベースボール文化と深い関わりのある言葉でもあります。息子はそのニックネームに馴染んでいたのでしょう。