野球は裕福な家の子どもたちだけのスポーツであってはならない、すべての選手が能力を証明し、スカウトや実力校への進学の機会を得たり、技術が向上できたりするようにとの思いで立ち上げました。ちなみに、FlatGroundのロゴは息子ジャックがモデルなんですよ。

息子も成長し社会人に

息子ジャックは最終的に、学んだ理論や教えを実践して、時速95マイル(約153キロ)の速球を投げる投手となりました。

大学も、ベースボールの特待生として奨学金を得て、ジョージア工科大学(全米でも有数の野球プログラムを誇る名門校)に進学しました。残念ながら、怪我で選手としての道は断念しましたが、今はデトロイトでコンサルタントとして元気に働いています。

彼は、今の仕事にもそれまでの経験が活きていると話しています。特にチームの一員として、規律を守りながら献身することの大切さを学んだことは一生の礎となったようです。

今、MLBには息子と繋がりのある選手がたくさんいます。

ボビー・ウィット・ジュニア(カンザスシティ・ロイヤルズ所属の遊撃手)は、アマチュア時代に息子と対戦したことがありますし、2024年9月12日にメジャーデビューを果たしたクマー・ロッカー(テキサス・レンジャーズ所属の投手)と投げ合ったこともあります。

他にも、ブラント・ハーター(デトロイト・タイガース所属の投手)など、今メジャーリーグで活躍している選手たちと一緒にプレーをしていました。だから、彼らが活躍している姿を見るのは本当に嬉しく思います。

本当は試合に駆けつけて、彼らの応援に行きたいぐらいなんですが、なかなかタイミングが難しいのが現状です。

今の私は30球団すべての試合をカバーしなければなりませんから。もし特定の試合を観に行ってしまうと、フォロワーの皆さんから「他の試合を見逃したじゃないか」と言われてしまうんです。

でも試合に行くのは好きです。レギュラーシーズンは他の試合が重なってしまうので、行けるのはオールスターゲームやワールドシリーズになってしまいますが、どの球場に行っても色々な人が私を見つけて「あなたはピッチングニンジャですか?」と話しかけてくれるんです。

自分の活動が誰かの役に立っていることを実感できて、本当に嬉しく思います。

『ピッチングニンジャの投手論』(扶桑社)
ロブ・フリードマン
ロブ・フリードマン

日米で大人気のMLB公式アナリスト