大谷翔平、ダルビッシュ有、今永昇太ら、近年メジャーリーグでは日本人投手の需要が高まっている。

大谷がその需要を高めただけでなく、日本の野球ファンが熱心でよく野球を知っていること、マナーの良さなどが「日本人投手を迎えたい」と思わせている。

そう考察するのが、日米で大人気のMLB公式アナリスト・ピッチングニンジャことロブ・フリードマンさん。

豊富な知識と分析力で野球だけでなく選手の魅力も発信していく“ピッチングニンジャ”の初著書『ピッチングニンジャの投手論』(扶桑社)から、サンディエゴ・パドレスに所属するダルビッシュ有のマインドについて一部抜粋・再編集して紹介する。

考える投手。別次元のマインドセット

ダルビッシュは、とにかく“考える”投手です。常にマウンドでも考えていることが窺えます。

ある日の試合中、投球が乱れたり、打ち込まれたりした時の投球間に、彼がボールを空中に投げ上げていたので、私はなぜそんなことをしているのか尋ねたことがあります。

というのも、ダルビッシュは何事においても理由を持って行動するので、ボールをトスすることにも意味があるに違いないと考えたからです。

ボールを投げ上げていた理由について、ダルビッシュは「考えすぎないようにするため、意図的にやっている」と教えてくれました。カブス時代(2018~2020年在籍)に、ジョー・マドン監督から助言を受けて始めたのだそうです。

ダルビッシュは時々、試合や自分の投球に真剣に取り組むあまり、思考が過剰になって自身のプレーが阻害されるようなのです。