「日本からやってきた投手の中で歴代最高の逸材」
ピッチングニンジャがこのように称賛するのが、現在ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸だ。
日米で大人気のMLB公式アナリスト・ピッチングニンジャことロブ・フリードマンさんの初著書『ピッチングニンジャの投手論』(扶桑社)から、ピッチングニンジャが“ピッチングの神”と絶賛する山本の「印象深いカーブ」について一部抜粋・再編集して紹介する。
見たことのない投げ方のカーブ
山本はどの球種も素晴らしいですが、なかでも非常に印象深いのはカーブです。
データに現れる数値から判断するならば、決して最高の球とは言えないかもしれませんが、私にとっては最もユニークな球だと考えます。
というのも、見たことのない投げ方をしているからです。

通常はカーブというと、中指と人差し指をボールの縫い目に掛け、親指は反対側の縫い目に掛けます。ストレートと同様の腕の振りですが、中指と人差し指は前向き、つまり手の甲が外側を向いた状態で、ボールに縦回転を生みやすくしてリリースするのです。
ところが、山本はまるでヨーヨーを扱うように手の甲が捕手方向を向いていて、親指がボールの上に乗った状態でリリースしているのです。見るからに難易度が高い異質な球と思いました。
まさにヨーヨーを投げているよう
そもそもメジャーでこのようにカーブを投げる投手はいません。