健康を損なわないお酒との付き合い方は、お酒が好きな人からすると最大のテーマ。できれば、生きている間はお酒を楽しみたいと思うだろう。
全国でも珍しい肥満・脂肪肝専門の「スマート外来」で診察を行う、肝臓のスペシャリストで医師の尾形哲さんは、断酒ではなく、一生お酒を楽しむための減酒術を提案している。
14人の名医・専門家の解説をまとめた、週刊新潮・著『ラクして長生きしたい人のための よくばり健康法』(新潮新書)から一部抜粋・再編集して紹介する。
「物わかりの良いお酒飲み」はNG
久しぶりにとっておきのボルドーのワインを開けようと夜を楽しみにする中年女性。今日の晩酌は大好きなあの純米大吟醸でと夕食を待つ高齢男性。今夜はドイツの珍しい地ビールで乾杯することにしようと仲間との飲み会に備える若者―――。
日本肝臓学会専門医である私の立場から、大きな声で飲酒を推奨することはできませんが、どうせ、いや、せっかくアルコールを口にするのであれば、こういった飲み方は悪くはないと思います。

しかし、酒に飲まれてしまう人がいるように、いつの間にか「良いお酒飲み」から「悪いお酒飲み」へと変貌し、それを自覚できないケースがままあります。
皆さんはいま、果たして良いお酒飲みなのか、はたまた悪いお酒のみなのか…。
それを識別するためのひとつの基準をお示ししたいと思います。