「あんな上司がいる会社で働きたい」と思わせる、いつも“ごきげん”でいる人柄で話題のながの社長こと、長野雅樹さん。
宮城県仙台市で建設業を営みながら、YouTubeチャンネルも展開し、部下が作った料理を豪快に食べる動画がバズったりしている。
そんな、ながの社長は社員を大切にするスタイルも多くの支持を集めている。著書『毎日ごきげん無双!―上司も部下もストレスゼロな仕事術―』(扶桑社)から、部下も“ごきげん”でいられるためのスタンスと、リーダーの役割について一部抜粋・再編集して紹介する。
キーマンは誰!?
チームで仕事をするときに一番大事なのは、「誰がキーマンかを見極めること」だと思っています。たとえばYouTubeだったら、うちで言えば構成と編集を担ってる部下のけいた。
彼が気持ちよく仕事できるかどうかで、動画の出来も再生数も全然変わってくる。
だから僕の中では、「社長の考えがない」っていうのが、ある意味一番成功するやり方だと思っていて。だって、昭和生まれのおっさんがYouTubeのことを語ったって、昭和のテレビの再放送みたいなもんしかできないでしょ。
今の感覚で面白いものをつくれるのは、東海オンエアとか水溜りボンドとかをリアルタイムで見てきた世代なんですよ。だから彼らをリスペクトして、彼らが最大限に力を出せる環境をつくる。それが僕の仕事。

たとえば、めちゃくちゃ単価の高い案件が来ても、けいたが「これは面白くならないからやりたくない」って言えば、断る選択をします。逆に「この企画なら無料でも回る動画つくれます」って言われたら、やろうぜってなる。極端だけど、それくらいクリエイターを信じてる。
大事なのは「誰が何を担保してるのか」をちゃんと理解すること。僕が社長で出役もしてるけど、企画と編集がなかったら、そもそも人を惹きつけられない。
だからそこに口出しするんじゃなくて、気持ちよくやってもらうために、どう環境を整えるかがポイントなんですよ。
これは別にYouTube に限った話じゃなくて、どんなチームでも同じ。リーダーが全部背負おうとすると、うまくいかない。リーダーの本質って、結局「尻拭ぬぐい」なんですよ。100点の成果を求めるんじゃなくて、50点でも30点でもまず出してくれたことに感謝する。