動物とふれあう機会も増える夏休み。
気をつけなければいけないのが今、急増している「マダニ感染症」だ。
“肉アレルギー”を発症するケースも
ウイスルをもつマダニに刺されることで発症するSFTS=重症熱性血小板減少症候群の感染者数は、3日までに124人にのぼり、過去最悪のペースで増えている。
高熱や嘔吐のほか出血などの症状があるSFTSの致死率は、厚生労働省によると最大30%だという。

現在、有効なワクチンはなく、感染症のほかに肉が食べられなくなる“肉アレルギー”を発症するケースもある。
専門家は、マダニに咬まれるとその唾液に含まれる「アルファガル」に対する抗体が体内で作られ、この抗体が牛肉や豚肉などにも含まれる「アルファガル」と反応して発症。じんましんや嘔吐のほか、命に危険が及ぶアナフィラキシーを起こす場合もあると指摘する。
ダニ専門家・五箇氏はレジャーの際の注意呼びかけ
マダニの生息場所は、シカやイノシシなど野生動物が出没する環境、民家の裏山や裏庭、畑などだが、国立環境研究所の特命研究員・五箇公一氏によると、最近はアライグマなどの野生動物が都市部に進出しているため「都市部のど真ん中であっても公園などは注意するに越したことはない」と指摘している。
また、マダニの成虫の体長は4~5mmと「米粒よりちょっと小さいくらい」で目視できる大きさが、幼虫は小さいため難しいという。

五箇氏はレジャーにも注意を呼びかけている。
キャンプやハイキング、川遊びなどの緑がある場所では注意が必要で、特に川遊びは服を着ていないので、そのまま草むらなどに入ると刺される可能性がある。
さらに「上」にも要注意だという。

マダニは木を登って上の方にいる場合もあり、それが頭に落ちてくる可能性があるので、帽子を被って行って欲しいとしている。
マダニの危険、どう回避…お盆休み中に刺されたら
五箇氏は、帰宅したら上着などは家の外でしっかり払う、ダニはすぐに噛まず体をウロウロするため帰宅後はすぐにお風呂に入って噛まれる前にダニを“洗い流す”ことが必要。「ディート30%配合」などダニ対応の虫除けスプレーも有効だとしている。

そして、お盆で病院が休みの場合について五筒氏は「慌てない、潰さない、ムリに剥がさない」ことがポイントだと話している。。
「開いている皮膚科があれば行って欲しいが、お盆で開いている皮膚科が近くになければ休み明けに行って欲しい。噛まれると急に発症するというものではないので とにかく慌てないで欲しい」としている。

厚生労働省によると、すべてのマダニがSFTSウイルスを持っているわけでなく 、地域や季節にるものの、ウイルス保有率は0~数%だということなので、慌てずに対処することが大切だ。
(8月14日イット!放送より)