長年勤めたスーパーを退職した夫に送った妻のメッセージがX(旧Twitter)に投稿され、心温まる内容が話題となっている。

本日で退職
嫁さんに、今までの感謝の
気持ちをLINEで送った。
仕事を終えた嫁さんから
返信が来た。
まだ仕事中なのに泣けてきた。

このコメントとともに投稿されたのは、「LINE」のトーク画面のスクリーンショット。

投稿したken kenさん(@kenmuchi0219)は、新卒で入社してから40年間務めたスーパーを6月14日で退職した。

退職したときに贈られた花束(提供:Ken kenさん)
退職したときに贈られた花束(提供:Ken kenさん)
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そこで最終勤務日のこの日、妻に今までの感謝の気持ちをLINEで伝えたところ、返ってきたメッセージを読んで涙したという。その内容が…。

長い間お疲れ様でした。
何度も何度も辞めたいと思ったことでしょう。
でも私達のために、子供のためにやめられなかったのだと思います。働いても 自分のために 何かを買うこともなく、本当にしんどい40年間だったと思います。ありがとう
これからの人生はゆっくりのんびり楽しんでください
本当にありがとう
お疲れ様でした。

妻からのメッセージ(提供:Ken kenさん)
妻からのメッセージ(提供:Ken kenさん)

ken kenさんのこれまでの苦労や頑張りをいたわる、感謝の言葉がつづられていた。

このメッセージにユーザーも「こんなんもらったら…めっちゃ泣いてしまいます…奥様からのLINE、心に沁みますね」「感動です。支えて支えられての道のりですね。カッコいい。です」と感動した人や、「長い間本当にお疲れ様でした」と退職をねぎらうコメントが寄せられていた。

16年来の付き合いがあるパートさんたちとken kenさん(提供:Ken kenさん)
16年来の付き合いがあるパートさんたちとken kenさん(提供:Ken kenさん)

そんなコメントにken kenさんは、「ありがとうございます。嫁さんも俺のこと分かってくれてたんだな。と思います」などと返答。投稿には、2万8000いいねが付いている(6月27日時点)。

いろいろな思いが蘇って泣いた

仕事をしてきた中で、これまで大変なことがあったと思うが、どんな40年間だったのだろうか?また、今後はどのように過ごす予定なのだろうか?ken kenさんに話を聞いた。


ーー妻からの返信を読んだとき、どう思った?

妻は朝の7時前に出勤します。その後に感謝のLINEを打ちました。妻は仕事が終わってからLINEを見て返信したのですが、私は勤務中でして、いろいろな思いが蘇って泣いてしまいました。


ーーどのようなメッセージを送ったの?

40年3カ月勤めた(会社の名前)を本日退職します。
結婚してから何度か辞めたいと思ったけれど、なんとか頑張れた。
(妻の名前)には長い間支えてもらった。
(妻の名前)の協力が無ければ仕事も続けられなかった。
毎日の弁当も美味しかった。
長い間、本当にありがとう。
感謝

最後の勤務日の愛妻弁当(提供:Ken kenさん)
最後の勤務日の愛妻弁当(提供:Ken kenさん)

ーーken kenさんの妻の感想は?

妻に聞いたら…
今まで辛かったのに、私たちのために頑張ってくれていたんだな。これからは自分の好きなことをしてほしい。あと、これからは好きなときに旅行へ行けるのがうれしい。

帰宅後はケーキで「お父さんおつかれさま」

ーー妻はどのような人なの?

妻は看護師として35年働いています。大変な仕事にもかかわらず、家のことをして、子供を育ててきました。その大変さを見て、私には到底マネができないと思います。私は妻のことをひとりの人間として尊敬しています。

ken kenさんと妻(提供:Ken kenさん)
ken kenさんと妻(提供:Ken kenさん)

ーーメッセージの他にも何かあった?

ちょうど娘婿が家にケーキを持って来てくれてました。長女は出産のために入院しています。長男は中学校の教師で忙しい。次女は離れたところで暮らしているので来られない。だから、代表して長女の婿が来てくれました。

ケーキは、わざわざ私の好きな店で買ってきてくれて、プレートにはどう書いていいものか悩んだ結果、「無難な言葉にしました」と言っていました。

「お父さんおつかれさまでした」と書かれたケーキ(提供:Ken kenさん)
「お父さんおつかれさまでした」と書かれたケーキ(提供:Ken kenさん)

早速、3人でいただき、娘婿からは労いの言葉をいただきました。あとは、どちらかというと出産のために入院している長女の話しを終始して、ワンカットは翌日、入院している長女に持って行ったみたいです。

長いようで短い、短いようで長い40年

ーー40年間で一番印象に残っていることはある?

私が異動して違う店へ行く時に、障がいのある女性から手紙をいただきました。そこには、本当に素直な言葉で私への感謝の気持ちが書かれていて、本当に店長をして良かったなと思いました。

その手紙は今でも私の宝物として持っています。

宝物の手紙(提供:Ken kenさん)
宝物の手紙(提供:Ken kenさん)

ーーどのような40年間だった?

長いようで短い、短いようで長い40年でした。スーパーなので、人が休むときに休めない。年末年始、お盆、ゴールデンウィークも仕事。長期休暇も取れない。休めても三連休。お客からのクレームも多い。今、問題のカスハラ。「店長を出せ」と何度言われたことか。

でも、スーパーという特性上、好況もないけど不況の影響も大きく受けない。賃金や賞与もきちんと支払われたので、その点はありがたかった。また、周りにイヤな人間もおらず、人間関係で辞めたいと思ったことは一度もなかったです。

夢は年末年始、お盆、GWで休むこと!

ーー退職後はどう過ごしているの?

退職の翌日から浜松へ旅行に行きました。いちばん憧れているのは、年末年始、お盆、ゴールデンウィークを休むこと。それが40年来の夢でした。

妻が働いてくれているので、家事は私がします。それ以外はしばらくグウタラと過ごしたい。そして2カ月に1度妻と旅行に行きたいです。目標は日本全県制覇。

退職後、ken kenさんが作った朝ごはん(提供:Ken kenさん)
退職後、ken kenさんが作った朝ごはん(提供:Ken kenさん)

ーー旅行の計画は決まっている?

年内に函館、出雲へ行きます。2人で泊まったことがない県がまだ21県あるので、そこへ妻と訪れるのが夢です。退職後の旅行は今まで泊まったことがない県の制覇が目標。まずは遠州静岡を制覇します。

長年働き続けたken kenさんに対する感謝の気持ちや、互いを理解し支え合う姿がすてきだった。これからは、たくさん旅行して楽しい時間を過ごしてほしい。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。