何かと話題になる“手抜き料理”の議論。今、ある“手抜き料理”の写真が、Twitterをざわつかせている。

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旦那「もう疲れた。無理。今日夕飯パンでいい?手抜きでいい?」
…手抜きって何?

投稿したのは、Twitterユーザーの「たなぼた画伯」(@tanabota623)さん。皿に盛りつけられているのは、たなぼた画伯さんの旦那さんが作ったという夕食なのだが…。

メニューは、食べやすいように切り分けられたトースト・レタスやミニトマトのサラダ・アボカド・半熟卵にお手製のマヨネーズソースをかけた「ウフマヨネーズ」。さらにヴィシソワーズが並び、どれもまるでレストランで出されるメニューのような高級感あふれる仕上がりになっている。

実は、この夕食を作った旦那さんは、調理師歴10年だという現役のフレンチ・シェフ。「手抜き」の発言は、たなぼた画伯さんいわく「職業柄出たもので、戯言だと思ってください」とのこと。

「自分含めて誰かのために作るご飯、それだけで手抜きじゃないです」と追記しつつ、さらに「調理師が厨房で作るレベルと比べた場合なので、おうちご飯で手抜き発言はしばいていいです。ええ、しばきましたとも」と追撃していることに、夫婦仲の良さが浮かぶようだ。

現役シェフの“手抜き料理”と、いわゆる「おうちごはん」の差に感心・驚き・笑い…様々な感情が湧いてくる写真だが、コメント欄にも「何種類もある時点でコース料理です」「私の知ってる手抜きじゃない…(笑)」「逆に手抜きじゃないときってどんな料理作ってるんですか!?」などの声が殺到。7万4000件を超える「いいね」がつくなど、注目の投稿となった(7月14日現在)。

こうなると、“手抜き”ではない普段のメニューは一体どんなものがあるのか、とても気になるところ。たなぼた画伯さん一家では、普段から旦那さんが料理を担当しているということで、今回の投稿について聞いたほか、日常の食卓の様子についても見せてもらった。

「プロの自分が家で作るごはんはすべて“手抜き”」

――旦那さんはフレンチのシェフとのこと。どんな人?

20代後半、調理師歴は今年で10年を迎えます。 元々パティシエ志望でしたが、師匠より「時代はフレンチ!」と諭され(?)、フレンチを極めています。お菓子も作っているので調理師兼パティシエといった感じです。 正統派フレンチと洋菓子、息子を愛する良き旦那です。

こちらは普段食卓に並んでいるというメニュー。まずはポーチドエッグとアスパラのオランデーズソースかけ
こちらは普段食卓に並んでいるというメニュー。まずはポーチドエッグとアスパラのオランデーズソースかけ

――この“手抜き料理”が出てきたときの気持ちは…

実のところ、旦那にとっては「(旦那が料理する場合は)家で作る料理は全て手抜き」なので、コレが出てきたときは「まーたワケ分からない手抜きが出てきたぞ…」と感じました。勿論良い意味での「ワケ分からない」です(笑)

ガーリックトーストに野菜のソースを添えて。トースト用のパセリをソースに使い切ってしまうアクシデントがあったそう
ガーリックトーストに野菜のソースを添えて。トースト用のパセリをソースに使い切ってしまうアクシデントがあったそう

――では、このメニューを出してきたときの様子も普段通り?

いつも通りでした。 よくある「ごはんできたよ〜」というノリです。 プライムビデオでアニメを流しながらまったり作っていました。

反響の大きさに「同業の方に手抜きがバレる!ひええ」

――他にはどんなメニューが“手抜き”だった?

旦那からすると毎日のご飯が手抜きなので判断が難しいです。 Twitterにあげている写真はほとんど手抜きかと思います。

「このメニューだから手抜き」というわけではなく、「誰が作るか」が手抜きかどうかの違いみたいです。 旦那の考えとしては「(プロの)自分が家でご飯を作るのは全て手抜き料理」であって、たとえ私が袋麺(具なし)を作ったとしても、「嫁(私)は調理師でもプロでもない。だからこれは手抜きとは言わない」って言ってくれます。

夏の定番だという冷しゃぶは盛り付けも美しい
夏の定番だという冷しゃぶは盛り付けも美しい

――では、反対に「これは凝りすぎ!」「手間暇かかっている!」と思った“本気”メニューは?

ローストポークですかね…。(私は)家で作って食べるものじゃないと思ってるので、出てきたときは「あれ?今日何かの記念日だっけ?」と思いました(笑)

たなぼた画伯さんが「凝っている!」と思ったというローストポーク。付け合わせのロースト具合もたまらない
たなぼた画伯さんが「凝っている!」と思ったというローストポーク。付け合わせのロースト具合もたまらない

――ちなみに、この日のごはんのお味は…

レストランの味でした(笑)

マヨネーズも手作りでしたので玉子本来の味を損なうことなくクリーミーな味わいとなっていました。パンで塗って食べるのも美味しかったですし、そのまま食べるのも美味しかったです。ヴィシソワーズも口当たりが滑らかで、生クリームも脂肪分の少ないものを使用して伸ばしていたのでさっぱりとした後味でした。

ヴィシソワーズについては息子にも味を調整して飲ませてましたが、空っぽになった器をずーっと啜るくらい気に入ってました。

パティシエ志望だったという旦那さんはケーキももちろん手作り。サンタとチョコプレート以外はお手製だそう
パティシエ志望だったという旦那さんはケーキももちろん手作り。サンタとチョコプレート以外はお手製だそう

――投稿には大きな反響がありましたが…

私も皆さんと同じような意見です(笑)
旦那は「同業の方に手抜きがバレる…!ヒエェ…」と未だに震えています。先日ネットニュースに取り上げられた後、職場内で特定されたようで周りからずいぶん可愛がられたようです(笑)

普段から「好みのクレームブリュレが市販していない」という理由で手作りしたり、カレー粉やルーを使わずカレーを手作りしたりと、腕をふるっているという。ちなみに過去には、トーストとサラダだけの日もあったそうだが、そこに手作りのジャムをプラス…と、やはり“手抜き”には程遠いメニューだったそうだ。

たなぼた画伯さんは、投稿を見た人たちに向けて「お願いなのでこれを手抜きだと思うのはやめてくださいね…?」「手抜きという言葉の使用を禁止すべきは旦那です…!」と繰り返しつつ、「旦那には毎日感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。