「目が乾く」「ゴロゴロする」と感じたことはないだろうか。
パソコンやスマホによる目の使い過ぎ、コンタクトレンズやエアコンによる目の乾燥、さらには加齢などにより、目の表面を覆っている涙に異常が生じ「ドライアイ」を発症しているのかもしれない。

ドライアイは単なる「乾き目」ではなく、進行すれば視力の低下にもつながる目の病気だ。
症状が長引くようであれば一度医師に相談するのが良いのかもしれない。
健康な目に欠かせない涙の役割やドライアイの治療法などについて、両国眼科クリニックの深川和己理事長に聞いた。
涙は目を守るバリア
「ドライアイは、目を守るのに欠かせない涙の“量”が足りなくなったり、“質”が悪くなる病気です。『目の酷使』『加齢』『病気によるもの』の3つのタイプがあります」

涙と深い関係があるドライアイ。
では、涙はいったい何のためにあるのか。
涙は、目の細胞が正しく増殖するために必要な成分を供給したり、ものが良く見えるようにレンズのような役割を担っている。

単なる水分と思われがちだが、涙腺から分泌される「涙液」と、まつ毛の根元付近にあるマイボーム腺から分泌される「油分」の2層構造で、油分によって涙の蒸発を防ぎ安定を保っている。
そのため、いずれかが不足すると目に必要な成分が行き渡らなくなり、目が疲れたり、ものがかすんで見えるといったトラブルが起きるのだ。
では、涙はどのように分泌されるのか。

「涙は、まばたきが『涙を出せ』という刺激となって分泌されます。通常、人は1分間に5~6回まばたきをしますが、ゲームをやっている子どもを観察すると、2分間に1回しかまばたきをしていません。
大人も細かい数字をパソコンで集中して見続けると、目が開きっ放しになっていることがあります。
子どもは涙に含まれるムチンという粘液がたくさんあるのでなかなか乾燥しませんが、大人はムチンが減少しているので目が乾き、それが原因で傷ができやすくなり、傷ができると涙の乗りが悪くなるのでさらに傷ができるという悪循環が起こります」