国民病となった花粉症。
今年は例年よりも早く、すでに一部の地域で飛散が確認されている。

スギ花粉による目のつらい症状を避けるためには、不調を感じてから病院を訪れるのではなく、花粉が飛び始める前からの備えが重要だという。

(画像はイメージ)
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ポイントは、症状が出る前から正しく目薬をさすこと。
この「初期療法」が、目のかゆみやゴロゴロを軽減するのだ。

昨年からは1日1回で効果が持続する、世界初の「塗り薬」の処方も始まった。
花粉症対策の最前線を両国眼科クリニックの深川和己理事長に聞いた。

花粉が舞う約2週間前からの「初期療法」

「花粉による目のかゆみの主な原因はアレルギー反応です。

花粉が涙を“雌花”と勘違いして付着すると、割れて中から抗原が溶け出します。それが結膜内に侵入すると体は異物が入ってきたと反応し、ヒスタミンという化学物質を分泌して攻撃を始めます。このヒスタミンが血管を拡張させ、炎症を引き起こすことで目のかゆみや赤みが生じます」

両国眼科クリニック・深川和己理事長
両国眼科クリニック・深川和己理事長

このかゆみは正しく目薬を使っていれば症状を抑えることができるというが、深川医師によると用法通りに点眼している患者はわずか3割だという。

「目薬の使い方を間違っている人が圧倒的に多いです。目薬はかゆみを感じるスイッチに蓋をする抗ヒスタミン薬が主流なので、かゆい時だけさすのではなく、かゆくない時も用法通りに1日2~4回決められた時間に点眼すればかゆくなる回数を減らすことができます」

花粉飛散開始前からの点眼で症状を軽減(提供:深川克己理事長)
花粉飛散開始前からの点眼で症状を軽減(提供:深川克己理事長)

点眼のタイミングとしては、花粉飛散予測日の約2週間前、もしくは症状が少しでも現れた時点で開始すれば、症状を軽く抑え、快適に過ごせるという。