Bリーグの年間優勝を決めるチャンピオンシップ(CS)準々決勝第2戦が15日行われ、昨季王者の千葉ジェッツ(東地区1位)は宇都宮ブレックス(同4位)に70対77で敗れ、CS敗退が決まった。

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タイムアップを告げるブザーが鳴り、連覇の夢が潰えた。チームスローガンは「いくぜてっぺん」。3大会連続で決勝へ進出していた千葉の早すぎる敗退に4530人のファンで赤く染まったスタンドからため息が漏れた。

リーグ最少失点を誇る宇都宮の堅守を崩せず、第1クオーターからリードを一度も奪うことができなかった。キャプテンの富樫勇樹(28)は「ホームの心強さはあったが、この2日間常に追いかける展開は想定していなかった。勝つことの難しさを痛感した」と肩を落とした。

副キャプテンの原修太(28)は「昨季優勝しただけに1回戦で敗退は本当に悔しい。昨日に続き劣勢、我慢の試合だった。去年優勝した時はリバウンドとルーズボールで勝っていたが、宇都宮とそこで差が生じた」と振り返った。

実力が拮抗したチーム同士の短期決戦ではリバウンドやルーズボールへの執着心が勝敗を分ける中、昨季の宇都宮との決勝で上回ったリバウンドで劣勢に立たされた。ディフェンスリバウンドこそ26本と宇都宮の23本を上回ったが、オフェンスリバウンドは宇都宮の22本に対し千葉は12本と差は10本。シュートのこぼれ球からのセカンドチャンスを増やせなかった。

それでも、王者の底力は見せつけた。第1クオーターから2桁得点差を追う苦しい展開の中で、最終クオーターには富樫の2本の3ポイントシュートなど11得点を挙げる活躍で猛追。終了間際には3点差まで迫った。

今季ホームで25勝2敗と圧倒的な強さを誇る千葉。ファンは最後まで逆転ドラマを信じた。しかし、勝負の神様は微笑むことはなかった。

キャプテンとしてチームを引っ張ってきた富樫は試合後、悔し涙を流すチームメートに歩み寄りこう声をかけた。

「顔を上げよう」

チームの指揮を執る大野篤史ヘッドコーチ(44)も最後まで諦めない思いを見せた選手を称えた。

「目標としていたリーグ優勝に届かず、ファンに申し訳ない気持ちでいっぱいだが、選手は勝ちたいという思い、最後まで諦めない思いが見えたいいゲームだったと思う。勝負の神様には微笑んでもらえなったが選手たちはベストを尽くしてくれた。本当に彼らに感謝している」

富樫は試合後の会見でこう結んだ。

「もちろん残念だが、チームを褒めたい。そしてホームで連敗したことが一番悔しい。ファンには本当に感謝の気持ちしかない。優勝以外では喜んでもらえないチームだと思うので、ホームで負けた悔しさは来季絶対に晴らしたい」

チームメートとここまで応援してくれたファンへの感謝を胸に、来季の雪辱を誓ったキャプテン兼エース。そのつぶらな瞳の奥には失意ではなく闘志が宿っていた。

チャンピオンシップ準々決勝第2戦
千葉ジェッツ70-77宇都宮ブレックス
(船橋アリーナ・15日・4530人)

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。