Bリーグの年間優勝を決めるチャンピオンシップ準々決勝(2戦先勝方式)が14日行われ、昨季王者の千葉ジェッツ(東地区1位)は宇都宮ブレックス(同4位)に70対81で敗れた。

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船橋アリーナは4355人のファンで赤く染まった。今季ホームで25勝2敗と圧倒的な強さを誇る千葉はファンの応援を力に初戦に臨んだが、キャプテン富樫勇樹(28)は「自分たちのリズムに乗ることができず苦しい時間が多かった。リバウンドのところと比江島選手のところでかなりやられてしまった」と試合を振り返った。

リーグ最少失点を誇る宇都宮の堅守に千葉は苦戦。リバウンドで劣勢になり、大野篤史ヘッドコーチ(44)も「リバウンドからのセカンドチャンスで自分たちが負けてしまったのが要因。頭を切り替えて明日に臨みたい」と悔やんだ。

一方、宇都宮の指揮を執る安齋竜三ヘッドコーチ(41)はこう振り返った。

「いつの間にか比江島慎が帰って来たという感じ」

アウェーでの試合に宇都宮が競り勝った要因として、チーム最多21得点を挙げたエース比江島慎(31)の積極的な姿勢が大きかったと安齋HCはいう。比江島は3ポイントシュート3本に、果敢なゴールアタックと内角・外角から得点を重ねた。 比江島は4月のレギュラーシーズンの千葉戦で得点を挙げられなかったことに奮起した。

「開き直って、まず自分でアタックすること、周りを生かすのではなく、自分を生かすという気持ちでいった」 

安齋HCは果敢にゴールアタックする姿勢を取り戻した比江島を見て「いつの間にか比江島慎が帰って来た」と表現した。

 相手エースの富樫が第3クオーターに3ポイントシュート3本など13点を決めると、比江島も9点をお返しした。相手に流れが行きそうな場面でもエース同士の対決で流れを渡さなかった。  

富樫が乗ってきたら千葉は乗ってくる。リードさせてはいけないと思っていた

2勝先勝ルールで初戦を白星、チームは準決勝進出に王手をかけたが比江島に慢心はない。 昨季はチャンピオンシップ決勝で千葉に負けた雪辱を誓う。 

 「相手がこのまま終わるわけがない。きょう以上のエナジーで来る。あの負けの悔しさを持ってやってきた。悔しさをぶつけて同じCSの舞台でやり返したい」  

対する千葉の富樫は崖っぷちの状況となっても前を向く。

「負けは取り戻せない。初戦を落として後がない状況だが、ホームで負けるわけにはいかない。しっかり切り替えて、チームを信じてやるしかない」

両エースが15日の第2戦も火花を散らす。

チャンピオンシップ準々決勝GAME1
宇都宮ブレックス81対70千葉ジェッツ
(船橋アリーナ・14日・4355人)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。