2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会の組み合わせ抽選会が1日に現地で行われ、日本は1次リーグでスペイン、ドイツ、大陸間プレーオフ(コスタリカ対ニュージーランド)の勝者とともにE組に入った。日本の決勝トーナメント進出のカギは?W杯2大会出場、2010年の南アフリカ大会では、全試合に先発しベスト16進出に貢献した大久保嘉人さん(39)が解説する。

日本E組に大久保「これは面白い!」

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抽選会の当日、大久保さんは抽選会の途中経過をテレビで見守っていた。

「日本に一番きついのは、グループE。ここに入ったらやばい」

W杯優勝経験のある欧州きっての強豪国スペイン(FIFA7位)とドイツ(同12位)が入ったグループE。現役時代ドイツ(ヴォルフスブルク)でもスペイン(マジョルカ)でもプレー経験がある大久保さんは日本(同23位)がここに組み込まれると「やばい」と踏んでいたが、その予感は的中…思わず声を上げた。

「おー!でも、強豪チームと戦えるということはこれは面白いですよ!僕としてはめちゃくちゃワクワクしています」

カギは「初戦の試合の入り方」

日本はスペイン、ドイツ、そして6月の大陸間プレーオフを控えるコスタリカかニュージーランドと同じグループEとなった。まず初戦に対戦するのは2014年ブラジル大会を制したドイツだ。日本はこれまで2度対戦し勝利はなし。それでも「初戦」というシチュエーションに付け入る隙があると大久保さんはいう。

「いくら優勝を経験した国でもW杯初戦というのは硬くなる。ドイツからしたら日本は格下。格下と初戦をやるのは余計に難しい」

2018年の前回大会では日本(当時FIFAランク61位)がコロンビア(当時16位)に勝利した。さらに今回対戦するドイツ(当時1位)もメキシコ(当時15位)に敗れるなど各グループの初戦で多くの番狂わせが起きた。

「日本は試合の入り方が良ければ、ドイツも『これはやばい』と思うかもしれない。最初に点が入りにくいなと思ったらそのままズルズルといっちゃうんですよ。入らなくなるんですよ。そういうことを逆手にとって日本はいければ(勝機はある)」

試合の立ち上がりからエンジン全開でドイツをひるませペースをつかむことができれば、日本勝利は見えてくるという。

カギは「三笘薫のドリブル突破」

そして、もう一つの山場ともいえるのが第3戦のスペイン戦だ。2010年W杯南アフリカ大会の覇者で魅力的なパスサッカーで一時代を築いた強豪国だ。

「スペインは東京五輪の時に日本に苦しめられていますから、ちょっと嫌だなという思いも絶対にあると思うんですよ」

東京五輪準決勝で相まみえた両国はスペインが勝利したが、延長120分間にわたる大接戦だった。その試合に出ていたペドリ(19)、D.オルモ(23)、U.シモン(24)、P.トーレス(25)ら東京五輪世代の若きスター選手たちが今回のW杯でも中核を担う。

「バルセロナで若くして活躍したぺドリ選手。日本でプレーしているイニエスタ選手のような感じで、やっぱり攻めれらる時間が多くなる。後ろが踏ん張ってどう攻撃につなげていくか」

ボールを握られる時間帯が多く続くと予想される中、大久保嘉人さんが日本に貴重な得点機会をもたらすことができるキープレーヤーとして挙げたのが、3月24日のオーストラリア戦で決勝ゴールをあげ、日本をW杯出場に導いた三笘薫(24)だ。

「僕は三笘選手に期待しています。ああいうドリブルをする選手は今日本にはいないので」

大久保さんが認めるように三笘の最大の武器は一瞬で相手を置き去りにするドリブル突破力にある。それには日本代表で共にプレーする田中碧(24)も驚きを隠せない。

「シンプルに速いなと思いますし、速さの中でも0から100に持っていって、100から0にまた止まれるのはなかなか簡単なことではない」

大久保さんも主導権を握られる中でも、緩急自在の三笘のドリブルが日本に突破口をもたらすはずという。

「あの独特なドリブルをする選手はなかなかいないので、ドイツ、スペイン相手にも全然通用すると思います」

「ドーハの悲劇」を「ドーハの歓喜」に

11月23日初戦はドイツ戦、27日第2戦は大陸間プレーオフの勝者(ニュージーランド対コスタリカ)と、12月2日第3戦はスペイン戦に挑む日本。抽選結果を受けて、日本代表を率いる森保一監督(53)は力強い言葉を残した。

「このドーハで我々が目標とすることを達成して、ドーハの歓喜に変えたいと思います」

第3戦スペイン戦は12月2日

22日、W杯カタール大会の放送予定が発表され、フジテレビ系列では1次リーグ第3戦のスペイン戦を中継することに。今大会ベスト8以上を目標に掲げる森保ジャパンにとって、強豪スペインとの一戦は決勝トーナメント進出をかけて乗り越えなければならない大きな壁となる。森保ジャパンはドーハの悲劇の地・カタールで強敵相手に歴史を塗り替えることができるのか、早くも期待が高まる。

キリンチャレンジカップ2022
6月2日(木) 日本×パラグアイ
フジテレビ系列にて放送

FIFAワールドカップ カタール2022
12月2日(金)日本×スペイン 
フジテレビ系列にて放送