11日のセ・リーグ クライマックスシリーズ ファイナルステージ第2戦、ヤクルトが5対0で巨人を破り、日本シリーズ進出へ王手をかけた。すでに6年ぶり8度目のリーグ優勝を果たし、1勝のアドバンテージを持つヤクルトは、これで3勝目。

一方の巨人は、先発したエース菅野が2回に先制点を許すと、6回に守備の乱れから満塁のピンチで押し出し。さらに好調のヤクルト塩見に走者一掃のタイムリースリーベースを浴び、5失点。

初戦で先発したベテラン山口が、初回に3点を献上したのに続き、原監督の起用を裏切る結果となった。

ヤクルトは「凄いとしか言いようがない」

この記事の画像(7枚)

誤算続きの巨人の戦い。BSフジのナイター中継で解説を務めた野村弘樹氏は、菅野の胸の内をこう語る。

「一番悔しいのは菅野のはず。もう限界かなと自分でも苦しいのが分かっていた中で、ベンチは動かないで彼に託した訳ですから。『エースはお前なんだぞ』というメッセージを感じ取れますから」

対照的にヤクルトは、初戦でプロ2年目の奥川がプロ初完投完封を達成したのに続き、先発の高橋奎二が6回無失点8奪三振の好投。継投も決まり、巨人打線を2安打に抑える完封リレーとなった。

解説の若松勉氏は、「凄いとしか言いようがない。昨日といい今日といい1点も失う事なく、2試合連続の完封。投手陣の踏ん張りがとにかく凄い」と手放しで評価した。

決戦前に高津監督が伝えた言葉

快進撃を続けるヤクルトだが、実はこのファイナルステージ初戦の神宮球場でこんな一幕があった。

真剣な表情で高津監督の言葉に聞き入る選手たち
真剣な表情で高津監督の言葉に聞き入る選手たち

晴れ渡った空のもとで行われた試合前のミーティング、高津臣吾監督が選手・スタッフ全員に語りかける。

「僕たちはセ・リーグでチャンピンになったけど、決して“横綱”ではない」

「僕らは常に前のめりで積極的にチャレンジ精神を持ってここまで戦って来た。絶対に受け身になってはいけない。この球に絞って打つと決めたら全力で振りなさい。このバッターと絶対勝負しなくてはいけない、ここに投げなくてはいけない時はしっかり手を振って投げなさい。

そしたらどんな結果が出ても、勝っても負けてもそこが自分の実力。悔いは残るけど自分の中で攻めた結果だと納得できる結果になると思う」

「その事だけ集中してやって行ければ絶対勝てる。大丈夫、キミたちは絶対やると僕らは信じている。
僕らは全力で君たちを応援しています。1試合1試合、1打席1打席、1球1球、しっかり集中して
みんなで頑張って行こう」

ベンチには「絶対大丈夫」の掲示も
ベンチには「絶対大丈夫」の掲示も

今シーズン、高津監督が一貫して選手に伝えて来た「絶対大丈夫」の言葉に、「常に前のめり」、さらには「チャレンジ精神」というメッセージが添えられて、決戦前の選手に伝えられた。

第3戦はヤクルト・原vs巨人・メルセデス

左:ヤクルト先発・原樹理、右:巨人先発・C.C.メルセデス
左:ヤクルト先発・原樹理、右:巨人先発・C.C.メルセデス

注目の第3戦の先発だが、日本シリーズへあと1勝するか引き分け以上となったヤクルトは、原樹理(28)が先発予定。

原投手は今季レギュラーシーズンで3勝。対巨人戦は今季2試合に登板して1勝0敗。

一方これで後がなくなった巨人は、今季7勝した左腕C.C.メルセデス(27)が先発予定。

メルセデス投手は、今季ヤクルト戦4試合に登板して1勝1敗。

ヤクルトの20年ぶりとなる日本一への挑戦を、原・巨人が阻止できるのか?

その戦いに注目したい。

このヤクルトの日本シリーズ進出王手を受け、フジテレビ系列(※一部地域を除く)では12日の地上波生中継を決定。以降、進出チーム決定まで連日神宮球場からの生放送を予定している。

(構成・文:吉村忠史)

プロ野球クライマックスシリーズファイナル第3戦
ヤクルト×巨人 今夜生中継(※一部地域を除く)