島根・雲南市の縫製業者が立ちあげたアウトドアブランドが今人気を集めている。ヒットの影には地元縫製業の未来を思い、奔走した男性の姿があった。

イベントから一変…大人気に

防水機能を備えたアウトドアグッズを入れるギアケースに、カエルのデザインが入ったおしゃれなマスク。
雲南市の力石淳さんが2019年に立ちあげたアウトドアブランド「swamp」。今、おしゃれで高品質だと人気。

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2020年、愛知県であった国内最大規模のアウトドアイベントに出展すると、バイヤーの目に留まった。その後、SNSで拡散されると、海外からも注文が入るほど人気に火がついた。

swamp・力石淳さん:
中国人のバイヤーさんですけど、日本語を上手く使って(連絡を)取らせてもらっている

コロナ禍によるキャンプ人気が、力石さんにとって追い風となっている。
一番人気は、地元建具店と共同制作したランプシェード。
中にライトを入れて明かりを灯すと、幻想的な光が辺りを照らす。
1個13,700円と決して安くはないが、2020年9月から200個を販売し、半年待ちという人気商品。

swamp・力石淳さん:
(ランプシェードが)できたときは日中だったので、早く夜にならないかと思いました。つけた時の喜びも半端なかったです。この模様がバーッと出てきて「きた!」って感じでした

地元の"技術"を集めて商品化

力石さんがswampを立ち上げたのにはワケがあった。
実は力石さんは、寝具メーカーから枕の製造を請け負う「力石縫製」の2代目。
毎月7,000枚の枕を受注しているが、下請けのため売り上げは頭打ちの状態が続いている。

swamp・力石淳さん:
若い世代の担い手がいないっていうのが現状です。仕事はあるが、商品ができないという状況が、5~10年後には出てくると思うので

さらに縫製業界は縫い子の高齢化や海外への生産拠点の移転により、人材不足に拍車がかかっていて、23人の縫い子も7割が60歳以上。
苦境の打開へ。力石さんは趣味だったキャンプの知識と縫製の技術を掛け合わせ、自社のアウトドアブランドを立ち上げた。

swamp・力石淳さん:
ブランドができると単価も高くできますし、縫子さんの工賃も高くなる。(縫製が)こんなに楽しいんだ。そして儲けられるんだとなればいいと思う

事業の拡大を目指し、異なる業種に共同開発を持ちかけたところ、人気に火が付いたのがあのランプシェードだった。
共同開発したのは、おしゃれな家具を手掛ける雲南市の深田建具店。アウトドア商品は初めての挑戦だった。

深田建具店代表の深田学さんも、突然のヒットに驚いた様子。

深田建具店・深田学代表:
なにが出るかわんないもんね、やったもん勝ちみたいなところはあるもんな

縫子さんが作るギアケースは4,500円(税込)から。マスクも1つ1,800円(税込)で販売。
ブランド立ち上げから2年で、アウトドアグッズの売上は本業も含めた全体の3割にまで成長し、作業単価も10倍になった。

swamp・力石淳さん:
メイドインジャパン、日本で作れるものを世界に発信する。地元の方と作ったものを、島根から日本に、そして世界に出せたらいいと思う

業種の枠を超えた新たな挑戦。力石さん達が作り出した光が、縫製業界を明るく照らすかもしれない。

(TSKさんいん中央テレビ)