サミットと円安効果もあって、インバウンド客が急増している広島の宮島。そんな外国人客の心を鷲づかみにするテイクアウトフードを売る店がある。海外にありそうでない、日本特有のスナックフードにさらに工夫を加えていることが人気の理由のようだ。
日本はインバウンド客にとって“お得”
G7広島サミットで世界からの注目度が上がったことに加えて、円安が続く日本は外国人観光客にとって物価が安く、旅行しやすい国の1つになった。
この記事の画像(25枚)Q:今の日本は物価が安い?
アメリカ人観光客:
今は結構安いです
Q:旅行しやすい?
はい
宮島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長:
外国のお客さんにとって、昔は高くて来れなかった日本が、今だったら安く旅ができる。そういうお客さんが今、日本にどんどん入ってきているので、僕はビジネスチャンスだと思っています
世界遺産、厳島神社のある広島県廿日市市宮島。
この場所で外国人観光客に人気を集めているのが、瀬戸内の牡蠣が入った「牡蠣カレーパン」。
この商品が外国人観光客にブレークしたのは理由があった。
アメリカ人観光客:
とてもおいしい。好きです
Q:カレーパンは珍しいですか?
結構珍しいです。アメリカにも少しありますけど
大瀬戸社長:
カレーも牡蠣も全世界で食べられている。それで揚げたパン
食材は全て外国人になじみがあるものばかり。しかし、この組み合わせが海外にはない。
海外にありそうで、ない日本独特の商品を販売する。それが大瀬戸さんのインバウンド戦略。
大瀬戸社長:
外国から来たものをさらに肉付けして、普通に見逃すような商品ではなくて、そこにもっと工夫をこらしたら、外国人、日本人向けにも、まだまだ商品開発ができると思っている
ミックスジュースに冷凍フルーツをトッピング
そのインバウンド戦略商品の第2弾がミックスジュース。
日本人客:
飲んだらバナナジュースですが、混ぜたらミックスジュース。色々な味がしておいしいです。インスタ映えする
日本人にとっては、それほど珍しくはないが・・。
大瀬戸社長:
海外ではフレッシュジュースとフレッシュジュースを混ぜあわせたミックスジュースはある。そこに牛乳が入ったミックスジュースは、僕らはそれが当たり前だと思っているが、それが外国にはあまりない。これはカレーパンの経緯に似ていると思って
しかし、日本独自のもので勝負するには、同様の商品との差別化が必要になる。そこで…
大瀬戸社長:
普通のミックスジュースだったら、ほかでもかなりおいしいものができる。それでは購買にはつながらない。進化系のミックスジュースを開発しようと思って、フレッシュな果実を瞬間冷凍して、さいの目に切って冷凍フルーツのかき氷をトッピングという形です
オレンジの世界的な産地、スペインのバレンシアから来たファミリー。
フレッシュジュースは飲みなれているはずだが・・。
Q:こういう飲み物はスペインにはありますか?
スペイン人観光客:
いいえ。新しい飲み物ですね。こういうのをスペインに輸入することを考えたらいいんじゃないかな
パン生地のピザは日本特有 そこに牡蠣を
そして、さらなるインバウンドへの仕掛け…第3弾は海外にもありそうな気がするが…。
大瀬戸社長:
パン店のピザ。今回は宮島バージョンで牡蠣がのります
我々、日本人にはおなじみのパン生地のピザだが…。
大瀬戸社長:
Q:パンピザは海外にはないのですか?
あんまりないですね
Q:日本独特のものですか?
大瀬戸社長:
日本特有のパン文化のようです。ジャパニーズベーカリーピザみたいな感じかな。きょうがテスト販売だから何とも言えない。外国人のお客の反応を見てから。僕の中で勝算はあるけど
大瀬戸社長:
海外はクリスピーなパリッとしたピザが多いが、うちのはふわふわなので、それがおいしいと言われると思うけど。だめだったら、きょうまた考えて、またチャレンジしていきます
Q:楽しみですね?
楽しみですよ
テスト販売初日。反応は?
フランス人観光客:
私はフランスから来ました。イタリアとフランスでたくさんピザを食べましたが、とてもおいしい
Q:フランスにはこんなピザはありますか?
初めてです
アメリカ人観光客:
ふわふわのはあるけど、こんなものはない
大瀬戸社長:
日本のパン屋のジャパニーズスタイルのピザです
アメリカ人観光客:
本当においしいです
Q:アメリカの人は喜んで食べてくれますか?
はい。絶対
大瀬戸社長:
よかったです。やっぱりピザは外国人の方はなじみがあるのかな。よかったです。ちょっと自信付きましたね
円安や不安定な国際情勢から、物価高騰が続くが、円安を逆にビジネスに活かす発想だ。
大瀬戸社長:
ピンチはチャンスなんです。日本円が安くなった。経済が滞って動きが悪い。だけど逆に外国のお客が昔は高くて日本に来れなかったが、今だったら安く来れる。
大瀬戸社長:
せっかくインバウンド客がたくさん来ているのだから、みんなで一緒に売って潤えば、経済も大きく発展して宮島だけじゃない、広島だけじゃない、日本全国がそれで潤えばいいと思っています
海外にありそうで、実は日本にしかない食材アレンジ。この発想は他にもインバウンド客向けの商品開発に活かせそうだ。
(テレビ新広島)