山口県出身の歴代首相の「ろう人形」が展示してあるが…

山口県萩市の松陰神社に行って来た。吉田松陰の松下村塾跡があり、明治維新、つまり近代日本が始まった場所だ。そしてここには伊藤博文以来、長州すなわち山口県出身の歴代首相のろう人形が展示してある。

実は7年前、安倍首相に「長州出身の首相には山口生まれで高校生の時に東京に引っ越した菅直人元首相も入れていいのではないか」と聞いたことがある。

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都道府県別の首相は山口県が8人で、2位東京の5人を引き離してダントツのトップだが、山口は人口が多い東京にいずれ抜かれるかもしれない。だから今のうちに入れられる人は入れといた方がいいと思ったのだ。

しかし安倍さんはニヤっとして「歴代首相のろう人形がある松陰神社の総代会で菅さんは入れないことに決めたから、菅さんは入らないよ」と僕に言った。


今回宮司さんに聞いたら、総代会でその話は出てないが、菅さんのろう人形をここに飾ろうと思っている人は一人もいませんよ!と言いきっておられた。やはり入れないのか。

いずれ「ろう人形」の仲間入り…安倍首相に望むこと

萩はいい町だ。維新の匂いが強烈に残っており、市民がそれを誇りにしている。

ろう人形館には、「山口県出身の7人の首相」と書かれていた。安倍さんはまもなく桂太郎さんら山口の先輩を抜き、首相在任期間でトップになる。いずれここに彼のろう人形が飾られることになるのだろう。

任期満了まであと2年、我々は安倍さんに何を望むのだろうか。やはり憲法九条改正と皇位継承の安定ではないか。

任期内にできなければ、自民党規約を再改正して任期をさらに延ばしてもいい。あるいは経済含め他の事は後継首相に任せて、すなわち岸田首相、あるいは菅首相の下で、特命担当相として憲法改正と皇位継承に取り組む、というのはどうだ。

今から160年前に長州藩士たちが松下村塾で松陰に学び、やがて彼らは近代日本の形を作り上げた。安倍さんにもぜひ日本のこれからの形をきちんと作り上げてほしいのだ。


【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【4コマ漫画:横川寛人】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。