自民の比例議席は60台か
衆院選が今日1月27日に公示された。先週末に行われたFNNの世論調査によると比例代表の投票先は以下の通り。
自民党 33.8%
中道改革連合 10.3%
日本維新の会 4.8%
国民民主党 5.1%
参政党 3.8%
共産党 2.0%
れいわ新選組 1.5%
選挙直前の比例投票先の調査は比較的よく当たる。自民は岸田文雄政権で行われた前々回衆院選直前の2021年10月の調査では39.1%と高く、比例は72議席を獲得した。
ただ石破茂政権による前回衆院選直前の2024年10月調査では34.1%と今回より高かったが、投票日直前に「非公認議員への2000万円振込」との赤旗報道で支持が急落し、比例は59議席にまで落ち込んだ。
これらの結果から考えると、今回の自民の比例は今のところ前回の59議席よりは多いが、前々回の72議席よりは少ない、60台のどこかだろうと予想される。10も20も増えるという話ではない。
一方の中道は10.3%と伸び悩んでいる。前回の立憲民主党と公明党の合計の16.9%、前々回の13.1%をいずれも下回っている。
国民と参政は数字を見る限り議席を増やしそうだ。
創価学会票と連合票
内閣支持率は先月より5ポイント下がって70.8%となったが依然高い水準だ。
一方で自民党支持率は5ポイント上がって36%となったが、まだ内閣支持率とは乖離がある。高市早苗首相のことを好きな有権者が自民に投票してくれるのかわからない。
小選挙区についてはまだ個別の情勢調査の結果が出ていないのではっきりしたことは書けないが、共同通信の調査では「小選挙区の投票先」で与党系候補40.0%、野党系候補22.8%と差がついた。
また新党への「期待」「評価」については各社の調査とも低く、肯定的な回答は2割台にとどまっている。
ただ「創価学会票」がどのくらい自民から中道の候補者に移動するのか。
「連合票」は中道と国民でどう割れるのか。
また参政が自民票を、共産が中道(立憲)票をどのくらい「食う」のか。これらは小選挙区ごとに事情が違う。最大の焦点は若者に多い「高市サポーター」が投票に行くかどうかだ。
自民210~230議席の予測が
選挙プランナーやアナリストの人たちが現時点でいくつか議席予測を出しているが、自民は210から230くらいに見ている人が多い。これだと与党で過半数は超える。私は後半戦でここから下振れよりは上振れする可能性もあると思う。
さて公示直前に各党党首による政策討論会がいくつか行われたが、論点は大きく2つあった。
野田共同代表が“フルボッコ”
1つは立憲が中道に参加するにあたり安保とエネルギー政策を現実的なものに変えたこと、もう一つは自民が初めて消費税減税を公約に書いたことだ。
安保については24日の「ニコニコ生放送」でのやりとりが面白かった。
高市(自民)「辺野古建設はどういうスタンス?」
野田(中道)「沖縄県民の声を踏まえながら対応」
福島(社民)「賛成か反対か?」
野田「慎重な立場」
百田(保守)「慎重とは反対ということか」
玉木(国民)「それでは日米関係が強固にならない」
立憲の野田佳彦代表は辺野古移設について曖昧な答えを繰り返し、左右双方からフルボッコにされて少しかわいそうだった。
25日のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」では「立憲と公明で詰めてきたが解散には間に合わなかった」として「選挙が終わった後に結論を出したい」と述べたが、やはり結論が出てから新党を作るのが筋だろう。
中道の安保、エネルギー政策は発表を見る限り、公明の主張を立憲が受け入れてこれまでより現実的になっている。すなわち自民党とも近いはずだ。
だが立憲の議員の中には中道の政策と違うことを言っている人もいる。「選挙が終わった後に結論を出す」のでは、有権者が判断できない。
消費税は下がるのか
消費税減税は食料品の2年間ゼロについて、自民の公約では「検討を加速する」というあいまいな表現になっているのだが、高市首相は26日の日本記者クラブの討論会でも改めて2026年度中に実現したいという意欲を示した。
消費税減税についての各党の公約は以下の通り。
自民 食料品の2年間ゼロ
中道 食料品の恒久的ゼロ
維新 食料品の2年間ゼロ
国民 5%に減税
参政 廃止
共産 5%に減税
れいわ 廃止
消費税減税に慎重なのは政党要件を満たしている政党の中ではチームみらいだけで、他の党は減税に反対していない。だから高市首相が「やる」と言えば実現する可能性がある。
その場合、財源として自民党の言う「補助金や租税特別措置の見直し、税外収入の確保」が本当に可能なのか。
また高市首相は食料品の2年間ゼロについて「給付付き税額控除」の制度実行までのつなぎであると説明しているのだがそもそも「給付付き税額控除」は実現可能なのか。
自民党が30年かけてゼロから10%に上げてきた消費税を初めて下げようという話なのでもう少し具体的な議論を聞かないと判断できない。
高市早苗が首相でいいのか
やはりこの選挙の争点は具体的な政策よりは19日の会見で高市首相が冒頭に問いかけた「高市早苗が首相でいいのか、国民の皆さまに決めていただく」ということなのかもしれない。
日本記者クラブでは最後に選挙後の政治の枠組みの話になって、高市首相が「玉木さん、固まっているかもしれませんが、早くからプロポーズを送っております」と公開で「告白」した。
これに対して玉木雄一郎代表は突然の解散に「信頼は揺らいでいる」と述べたがこれは「選挙向け」のセリフ、つまりファイティングポーズであり、私には「選挙終われば連立に入ります」という表情に見えた。
維新の藤田文武共同代表も「歓迎」の様子だった。この討論会では最も面白い場面だった。
たとえ与党で過半数を割って高市首相が退陣しても、国民が入れば衆参共に過半数は超えるだろうから、連立は維持され、かつ強固になる。
首相を誰にするかという問題はあるが、選挙後の連立は結果はどうあれ「自維国」という形になるのではないかと思う。
