菅さんが進次郎さんの後ろ盾になった

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40年近くニュースに接していると、多少の事では驚かない、つまり鈍感になってしまうのだが、小泉進次郎さんと滝川クリステルさんの結婚の手際の良さには感心した。

2人はまず菅官房長官に結婚の報告をし、その後安倍首相にも会い祝福を受けた。これに先立ち進次郎氏は「文藝春秋」で菅氏と対談し、「入閣」と「ポスト安倍」の両方についてお墨付きをもらっている。

一連の流れを見ると総裁選で石破氏に投票するなど安倍首相に距離を置いてきた進次郎氏が、安倍側近である菅氏と気脈を通じた、すなわち菅氏が進次郎氏の後ろ盾になった、ということがわかる。入念かつ効果的な演出だ。

参院選は盛り上がらず24年ぶりの低投票率。選挙後の関心は「れいわ新選組」などに向けられていたのだが、進次郎氏は、その客すべてをガサーッと自民に持ってきてしまった。さすがの山本太郎さんも進次郎と滝クリのできちゃった婚にはかなわない。

首相は実績でなるものではない

滝クリと結婚したからと言ってどうして首相候補なんだ、実績もないのに!と怒る気持ちは良くわかる。だが首相は実績でなるものではない。父親の純一郎氏も実績はなかったが、勝負どころの決断力と優秀な側近がいたから5年5カ月も首相を続けられた。その二つがあれば首相は務まる。

そしてもう一つ大事なのは集票力である。これだけ人を集め、票を集められる政治家は滅多に出てこない。進次郎氏が首相候補の一人であることは間違いないのだ。

「俺は普通の奴とは違う」という進次郎の自信

さて当面の関心は秋の内閣改造人事である。一部には農水相という声もあるが僕は官房副長官がいいと思う。菅さんが上司だし、首相への登竜門のポストだからだ。実は進次郎さんはこのポストを一度断っている。その理由は「俺は普通の奴とは違う」という強烈な自信だ。自信も結構。だが悪いことは言わん。一度安倍さんの下で首相というものがどういうものか見た方がいい。そしてもちろん育休はしっかり取ってくださいね。

【執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫】
【4コマ漫画:横川寛人】

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平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。