福井の身近な疑問「なんだー?」を解き明かし驚きいっぱいの「ワンダー!」を見出すローカル情報バラエティ番組「なんだー?ワンダー!」放送200回を記念し、県内にある「200」にちなんだ話題を調査することに。そこで選ばれたのが越前市内を走る全長839メートルの「県道200号」。この県道周辺は1500年の歴史がある越前和紙の里。ここで「200」にちなんだワンダーを調査した。
創業144年の製紙所へ
今回、調査を任されたのは、福井の伝統工芸を全国に発信する地元密着のアイドルグループ「さくらいと」メンバー・護國まいさん。
越前和紙の里であるこの地には何度も足を運んでおり、顔見知りも多いというまいさん。「車では来るんですけど、歩くとなると久しぶりかもしれない」と県道200号を歩き始めた。ミッションは町を調査するだけでなく「200にまつわるワンダー」を探すこと。
歩いていると偶然、知り合いの山田京代さんと遭遇。山田兄弟製紙の工場に案内してもらうと、越前和紙の裁断作業が行われていた。
機械ですいた和紙を発注サイズに合わせて切りそろえ、切れ端は廃棄されることなく和紙の原料として再利用する。「再利用することによって、パルプが細かい原料になるので、ちょうどいい感じに目が詰まりなだらかな紙になる」という。
この山田兄弟製紙は、創業144年。まいちゃんは思わず「144!そっか、200には届かなかった…」
「老いない」が「不老」になり漢文読みで「おいず」に
工場を後にして歩き続けると、町名の「不老(おいず)町」と深く結びつきのある場所が。「不老神社」だ。
神社の前には小さな泉があり、看板には「199歳」の文字が記されていた。その昔、この水を飲んで199歳まで生きたという「自然居士(じねんこじ)」という伝説上の人物がいたとされ、飲めば長寿になる水として伝わっている。
詳しい話を、この町の“物知り博士”八十島幸雄さんに聞いた。
一説によると、自然居士の「199歳」は1人ではなく、自然居士と呼ばれた何人もの人物の年齢を足し合わせたものだという。伝説が伝わる1000年以上前にしては長寿だが、惜しくも200ワンダーとはならなかった。
さらに八十島さんは、「不老」という町名の由来について「年寄りにならないということで、老いないが『不老(ふろう)』になって、それを漢文読みで『おいず』になった」といい、県外で名刺を出しても読めないと苦笑する。
200万円の和紙と天皇陛下即位の際の発注記録
“200ワンダー”がなかなか見つからない中、次に向かったのが「杉原商店」だ。「すごく歴史がある和紙の問屋さんなんですよ」とまいさん。
築100年の蔵を改装したギャラリーには、大きさも厚みもさまざまな和紙製品が展示されていた。創業150年を誇り、近年は海外にも積極的に販路を広げている。
杉原吉直社長に「200にちなんだ和紙とかってあったりしますか」とまいさんが問いかけると「あちらの和紙が200万円くらいですかね」と1枚の大きな和紙を指差した。ここでついに200ワンダーをゲットした。
「1500年の歴史の中で作られた技術で成り立っていて、同じ水を使って同じ技術で作り続けている」という。この和紙は手作りでできる一番大きいクラスで、大きさは約10メートル。「この大きさは全国でもこの越前だけ」だという。
杉原商店には他にもお宝が。 杉原社長が見せてくれたのは、大正天皇、昭和天皇の即位に伴う儀式で使われた和紙の発注記録だ。 封筒の表紙には「御大典御用紙調進」と書かれている。
「いい水があるってこと」和紙産地を支える宝
杉原さんによると、越前和紙の紙すき職人で人間国宝・岩野市兵衛さんは「自分は紙すきがうまいなんて思ったことはない。水です。いい水があるってことです」と語っていたという。
不老神社の長寿伝説を生んだ「不老の水」と、越前和紙1500年の技を支える「紙すきの水」。県道200号のまちには、人々の暮らしや伝統を長く支える水が脈々と流れていた。

