この秋の新米の価格が注目される中、JA福井県は13日、コメ農家に前払いする「内金」(概算金)を発表しました。コシヒカリと、収穫が始まっている早生の品種「ハナエチゼン」は60キロあたり去年より1万2000円も下がりました。
   
大幅な値下げを農家はどう受け止めているのか、そして私たちが買うコメの価格にはどう反映されるのか、農家と売り場を取材しました。

◆「民間備蓄がかなりある」内金を大幅値下げ

JA福井県は13日に臨時理事会を開き、コメ農家に前払いする「内金」を決定しました。
 
県内で収穫が始まっている早生のハナエチゼンは60キロあたり去年より1万2000円下がり1万6000円、コシヒカリも1万2000円下がり1万7000円、いちほまれは1万2400円下がり1万8000円となりました。
   
直近5年間のコシヒカリとハナエチゼンの内金の推移をみると、1万円前後の水準から「令和の米騒動」とも呼ばれたコメ不足の影響などで、去年はハナエチゼンが2万8000円、コシヒカリが2万9000円まで上昇しましたが、今年は一転、大幅に値下がりしました。
    
JA福井県農業戦略部の斉藤史憲部長は「民間備蓄がかなりあり、厳しい状況の中で内金を設定した。追加精算も視野に入れながら販売対応をしていく」と述べました。
 
値下げ幅は過去最大との認識かと記者に問われ、斉藤部長は「去年の値上げ幅が大きかったから、その分、値下げ幅が大きい。ただそれだけ」としました。
  
背景にあるのは全国的なコメ余りです。
  
去年産のコメが在庫として積み上がっていて、JA福井県では2025年産米の約3分の1が卸売業者への引き渡し前の状態で残っています。
  
多くは販売先が決まっているものの、引き渡しが例年より遅れています。

◆農家「早くやめた方が勝ち」

内金の大幅な下落を、農家はどう受け止めているのでしょうか。
 
農家の白井清志さんは「ハナエチゼンの生産コストは2万3000円以上はかかっている。きょう出た1万6000円という内金は、農家にしてみれば大変な赤字。現状では農家をやめたほうがいい。早くやめた方が勝ち。来年もこういう状況であれば私もすぐやめる」と憤ります。
 
肥料や燃料などコメを作る費用が上がる中、受け取る価格は下がる。農家には厳しい値下がりです。

◆消費者は「安くなるならいい」

一方、消費者が気になるのは、店頭での販売価格です。
 
田島嘉晃アナウンサー:
「私たち消費者が見るのは、この5キロの値札です。概算金の値下がりで、こちらも安くなるのでしょうか」
  
Aコープみゆき店の山上剛店長は「去年よりは明らかに安くなる。新米の内金は下がったが、販売店としては生産者がおいしいコメを作ってくれたので精一杯販売したい」と話します。
 
消費者は―
「コメは安くなるなら、なおいい。いちほまれも、10キロ5000円なら買える」
 
県内のトップを切ってハナエチゼンの新米が出荷されるのは、8月19日。私たちが買う今年の新米は、どこまで安くなるのか。一方で、コメ農家の経営はどう守られていくべきか。
 
農家が減れば、来年以降の生産にも影響が出かねません。「令和の米騒動」から3度目の夏です。

福井テレビ
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