石油備蓄が減り続ける中、ようやく「補充」が動き始めた。5月22日、鹿児島市のENEOS喜入基地で、アラブ首長国連邦産の石油を積んだタンカーが到着し、産油国共同備蓄への補充が実施された。中東情勢の悪化以降、産油国共同備蓄への補充は今回が初めてだ。
備蓄は243日分から206日分に減少
日本の石油備蓄は大きく3種類に分けられる。政府が管理する国家備蓄、石油会社などが保有する民間備蓄、そして中東の石油会社に民間の原油タンクを貸し出す形で日本国内に保管する産油国共同備蓄だ
中東情勢が悪化する前の2026年2月末時点では、3つを合わせて243日分の備蓄があった。しかし情勢悪化を受けてたびたび備蓄石油の放出が行われた結果、5月18日時点の推計では206日分にとどまっている。
内訳を見ると、国家備蓄が145日分から116日分へ、産油国共同備蓄にいたっては6日分からわずか1日分へと大きく減少した。

「産油国共同備蓄」の役割
産油国共同備蓄は、中東の石油会社に民間の原油タンクを貸し出し、日本国内で石油を保管してもらう仕組みだ。通常時は産油国の資産として管理されるが、緊急時には日本が優先的にその原油を購入できるという取り決めになっている。
政府は2026年3月から、供給不安の緩和を目的にこの産油国共同備蓄の石油についても放出を開始。ENEOS喜入基地からは、国内の消費量3.5日分に相当する約100万キロリットルが放出されてきた。
午前9時ごろ、タンカーが喜入に到着
22日午前9時ごろ、鹿児島市喜入中名町のENEOS喜入基地では、アラブ首長国連邦産の石油を積んだタンカーから産油国共同備蓄への補充作業が行われた。
今回補充された石油の量やタンカーの航路については、関係国との協議内容に関わるとして非公開となっている。国は今後、補充した石油の放出条件やタイミングを事業者間で調整するとしている。
備蓄量の回復と供給安定に向けた取り組みが、今後どのように進められていくか注目が集まる。
(動画で見る▶ENEOS喜入基地で産油国共同備蓄に石油補充 中東情勢悪化後で初)
