5月20日午前11時46分ごろ、鹿児島県与論町で震度5強、知名町で震度5弱を観測する地震が発生した。県内では1人が軽傷を負ったほか、スーパーや高校、総合体育館など複数の施設で建物被害が確認された。翌21日には鹿児島地方気象台の職員が与論島に入り、震度観測点の確認や関係者への聞き取りを行った。

スーパーでは約3万点が並ぶ棚が大きく揺れる

地震発生時の与論町内のスーパー、ニシムタFC与論店の防犯カメラ映像には、陳列棚が激しく揺れ、洗剤や調味料などが次々と床に落下する様子が映っていた。揺れが収まると、店内にいた客が一斉に出口へと走る姿も確認できる。

約3万点の商品が並ぶ同店では、とりわけビールや焼酎の陳列棚での被害が大きかった。岩山勝志副店長は「午前中にかけて棚を上げ、下をふいたり、地震があった時のために揺れ防止の処置をしないといけないと思った」と振り返り、今後の備えを改める必要性を語った。

ニシムタFC与論店 岩山勝志副店長
ニシムタFC与論店 岩山勝志副店長
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与論高校で15ヶ所以上にひび、階段は通行禁止に

島唯一の高校である与論高校(生徒約120人)では、授業中に地震が発生した。築約60年の校舎では、事務所や外壁など少なくとも15ヶ所以上にひびが確認された。さらに1階から2階へつながる階段では天井からモルタルが剥がれ落ち、現在も生徒は通行できない状態が続いている。

加治大樹教頭は「避難経路を確認したとき『ここが落ちている』と連絡があった。外の階段のルートを使って逃げるように放送で指示した」と当時の対応を説明した。補修については「島の事情もあり、専門の業者が簡単に動けるわけではない。業者に見てもらうにしても来週見てもらう」と述べており、離島ならではの物理的・人的制約が復旧を難しくしている実情がうかがえる。

体育館の天井ボード26枚が落下、避難所としての機能も停止

与論町総合体育館でも天井に被害が出た。関係者によると、縦約90cm、横約180cmのボードが26枚落下したという。同施設は日常的に町民のレクリエーションや部活動に使われているほか、災害時の避難所としても機能している。しかし21日から当面の間、利用が禁止された。

与論町教育委員会生涯学習課の松村誠司課長は「多くの町民が利用するので、災害を受けて新たに防災の在り方、施設の在り方を今後、防災や建築など専門機関の意見を聞きながら検討したい」と話した。避難所そのものが被災するという現実は、地域の防災体制を根本から見直す契機となりそうだ。

気象台が現地調査、震度観測点に異常なし

21日、鹿児島地方気象台の職員が与論島に入り、与論町役場で被害状況の聞き取りを実施した。また、地震計が設置された施設で機器の確認も行った。

鹿児島地方気象台の白石知己土砂災害気象官は「震度観測点に異常がないか、観測施設に異常がないか、現地調査を行う。震度観測点の周辺で聞き取りを行う予定。地震があった時にいた人がいたらその人に揺れの状況を聞く」と調査の目的を説明した。

鹿児島地方気象台 白石知己土砂災害気象官
鹿児島地方気象台 白石知己土砂災害気象官

徳之島では高齢女性が軽傷

人的被害も報告されている。県によると、震度3を観測した徳之島町では、高齢女性が車のドアで頭を打ち、軽いけがを負った。

今回の地震は、与論島のスーパー・学校・体育館といった地域生活に密着した施設に幅広く被害をもたらした。離島という地理的条件から業者の手配にも時間がかかる見通しであり、住民生活への影響は当面続くとみられる。

(動画で見る▶震度5強観測 与論島の現状は 映像が物語る揺れの激しさ けが人も)

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