ゴミ袋、ゴム手袋、エアコンの化粧カバー、シャワー式トイレ——。日常のあちこちで使われるこれらの商品が、鹿児島市のホームセンターで次々と品薄になっている。「注文した商品が届かない」「お客様が欲しい商品を販売できない、それが一番困っている」。現場の声は切実だ。中東情勢の悪化から約2カ月半、遠く離れた南九州の街でも、その影響は確実に生活に忍び込んでいる。
「石油由来の商品がほとんど」——棚に貼られた購入制限の案内
鹿児島市東開町にある「ホームセンターきたやま東開店」。店内を歩くと、所々に購入制限を知らせる案内が目に入る。中東情勢が悪化してから約1カ月前後で、石油由来の商品が注文通りに入荷できない状況になったという。

影響を受けているのは幅広い。建築資材である合板や断熱材は接着剤や材料が不足。シャワー式トイレはメーカーからの入荷に制限がかかり、ゴミ袋やゴム手袋といった生活必需品にも購入制限が設けられた。さらに、芝刈り機などの燃料となる混合ガソリンは陳列棚が一部で空に。防水や災害時に使うブルーシートにも制限がかかっているという。

同店の林田誠二参事は「影響を受けているのは石油由来の商品がほとんど。今はあるが、今後どうなるかという不安はある」と語る。
家が建てられない、車も塗れない——広がる職業・生活への影響
品薄の影響は、生活の水面下で静かに広がっている。
買い物客の一人は、家を建てようとしている知人の状況をこう話した。「物自体がないという話を聞くので、工程が遅れたり家を建てる目標がすごく後ろ倒しになる。話を聞いていてすごく胸が痛い」。

仕事への影響を訴えるのは塗装業の人だ。「シンナーを18L買うのだけど、それが4Lしか持って来ない。1台、2台塗れば4Lはすぐなくなるので、その辺が困っている。車のエンジンオイルがない。注文して1カ月になるが来ない」。

子育て中の買い物客は日用品の値上がりを心配する。「子育てする中でもたくさん使うので、『高くなっていくのかな』と不安になる。なる前に必要な物は整理して買っておきたい」。
梅雨・猛暑を前に、エアコン部材にも制限
取材が行われた5月17日、鹿児島県本土では今年初めての真夏日が観測された。これから気温が上昇し、梅雨の時期も近づくなかで、使う頻度が増えるはずのエアコンの化粧カバーにも購入制限が設けられている。暑さへの備えすら、思い通りにできない状況だ。
林田参事は「状況がどのように傾くか全然分からないので、我慢する時期ではないか」と話す。世界の出来事が、鹿児島の日常の棚を着実に変えていっている。
【動画で見る▶中東情勢の影響 ホームセンターで品薄の商品 エアコンカバーや燃料、ゴミ袋、便座も】
