富山駅前、城址大通り沿いにある「居酒屋maru」では、地元では珍しい"醤油を一切使わない"おでんが楽しめる。フレンチやイタリアンのシェフでもある大塚一輝店長が手掛けるのは、「あご出汁」と「塩」にこだわった透明な出汁おでん。中でも目を引くのは「じゃがいもチーズ」や「カプレーゼ巾着」といった洋食のエッセンスを取り入れた創作メニュー。富山の冬の定番を革新的なアプローチで提供する逸品を取材した。

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富山では珍しい「醤油なし」の透明出汁

居酒屋maruの外観で最初に目に付くのは、おでんのイラストが描かれた看板だ。店に一歩足を踏み入れると、透き通った出汁のおでんが目を引く。

「富山では珍しく、あご出汁と塩にこだわったおでんになっておりますので、しょう油が一切入っておりません」と大塚店長は説明する。

富山のおでんといえば、醤油ベースが一般的だ。しかし居酒屋maruでは、他店との差別化を図るため、あご出汁と昆布をブレンドし、さらに沖縄の塩をアクセントに加えた、あっさりとした味わいのおでんを提供している。

3日間煮込んだ出汁のしみた大根

「おでんの5品盛り」を注文すると、まず目を引くのが定番の大根だ。一口かじれば、その違いは歴然。

「うん!あっさりしてますよね。すごく食べやすいです。しっかり、中まで出汁しみしみですよ」

この大根、実に3日間も煮込まれているという。

「大根はだいたい3日ほど煮込んでるので、芯までちゃんと味が染みていると思います」と大塚店長。長時間かけて煮込むことで、芯まで柔らかく、出汁の旨味が隅々にまで行き渡った逸品に仕上がっている。

異色の組み合わせ「じゃがいもチーズ」が斬新

おでん盛り合わせの中でも特に目を引くのが、モチモチとした食感の「じゃがいもチーズ」だ。一見すると普通のおでんの具材のように見えるが、一口食べれば驚きの味わいが広がる。

「最近は『出汁とチーズの組み合わせ』がよく見られる。それを取り入れた」と大塚店長は説明する。

和食の基本である出汁と、洋食の代表格であるチーズ。一見ミスマッチに思えるこの組み合わせが、不思議と調和して新しい味わいを生み出している。

巾着の中からチーズとトマト

さらに驚きなのが、おでんの定番「巾着」を一口すると、中からチーズとトマトが現れること。

「『カプレーゼ巾着』と言いまして、なかにトマトとチーズが入っている洋風のおでんになります」

カプレーゼといえばイタリア料理の前菜として知られるトマトとモッツァレラチーズの組み合わせだが、これをおでんの巾着に詰め込むという発想は斬新だ。

「もう噛んだ瞬間お出汁が溢れ出て、チーズ+トマト+出汁。意外に合います。一気に『イタリアの風』が吹いてきました」

フレンチ・イタリアンのシェフによる洋風おでん

大塚店長はフレンチやイタリアンのシェフの経験を持ち、その知識と技術を活かした創作おでんメニューを多数提供している。

「ポルチーニ大根」は、イタリア料理でよく使われる高級キノコ「ポルチーニ」を使ったクリームソースをかけた一品。また「オマールビスク卵」は、高級食材として知られるオマールエビのソースでいただく卵料理だ。これらは洋食のエッセンスを加えた変わり種おでんとして人気を集めている。

火曜・水曜限定の「食べ放題」企画も

居酒屋maruでは、火曜日と水曜日に限定で60分間、200円から350円のおでんを「食べ放題」で提供するという嬉しい企画も実施中だ。オシャレな空間で、独自の出汁にこだわった洋風おでんを心ゆくまで楽しめる機会となっている。

寒い季節に、心も体も温まる新感覚のおでんを提供する居酒屋maru。従来の常識にとらわれない創造性と、和と洋の絶妙な融合が生み出す味わいは、おでん愛好家だけでなく、新しい食を求めるグルメファンにもおすすめの一店だ。

(富山テレビ放送)

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