広島市中心部の地下道で2月2日、自転車同士が出合い頭に衝突。90歳の男性が転倒して頭を打ち、意識不明の重体で病院に搬送されたが、8日に死亡した。
この事故を受け、警察などが現地検討会を開いた。“下り坂の十字路”という構造や、ミラーの見えにくさが事故の背景として浮かび上がっている。
“やや急な下り坂”でスピード出やすく
事故が起きたのは、広島城や広島グリーンアリーナ、サッカースタジアムに囲まれた広島市中区の基町地下道。地上のにぎわいとは対照的に、地下は歩行者や自転車が行き交う移動空間となっている。
事故現場は、十字路のちょうど中央にあたる交差点だ。
南北と東西に通路が延び、それぞれの方向から自転車が交差点へ流れ込む。高齢男性が走行していた通路は、道幅およそ2.5m。男性は交差点に向かって下っていた。
勾配は4.6%。5%以上で「急」とされる中で、この地下道は「やや急な下り坂」にあたる。ペダルをこがなくても、自然とスピードが出やすい構造だ。加えて、別の通路から自転車や歩行者が来ているかは“死角”になっており、交差点に設置されたミラーで確認するか、目視するしかない。
安全確認用のミラーが「見えにくい」
2月6日に行われた現地検討会には、警察や国土交通省など9人が参加した。
出席者からは、事故があった場所が十字路の中心で、下り坂によりスピードが出やすいことや、安全確認のためのミラーが見えにくいという指摘があった。
県警によると、この地下道では2021年から2025年末までの5年間で、自転車が関係する事故が20件(うち自転車同士の事故は13件)発生している。その多くが、今回と同じ「出合い頭」の事故だという。
広島中央警察署交通第一課の小川拓也課長は、「まずは必ずスピードを落として通行してほしい。交差点付近では徐行、もしくは一旦停止して安全確認を」と呼びかける。
警察は今後、現場での定期的な交通指導を検討中。スピードを抑える安全意識に加え、万が一に備えた“ヘルメットの着用”も自転車利用者に求められている。
(テレビ新広島)
