広島市南区の広島競輪場が、2026年春に複合施設として新たに生まれ変わる。
競輪に加え、BMXやスケートボードなどを楽しめる広場や宿泊施設も整備され、家族や若者が集う“にぎわいの拠点”を目指している。
青いバンクが完成! レース再開
広島の海の玄関口、宇品地区にある広島競輪場。2026年3月の全面リニューアルを前にレース会場が完成し、ひと足早く11月30日からレースが再開された。
新しい名称は「アーバンサイクルパークス広島」。1周400メートルの新しいバンクは鮮やかな青に舗装され、その周りに白い空中通路がアーチを描く。走路を駆け抜ける選手の迫力を、観客が目の前で感じられるようになった。
広島競輪場が誕生したのは1952年。公営ギャンブルとして約360億円が広島市の財源となり、学校や道路といった地域の基盤整備に使われてきた。
しかし、老朽化とレジャーの多様化で来場者が激減。かつてのにぎわいは薄れ、存続の危機に直面した。広島市はコスト削減や活性化のため民間事業者へ委託し、再整備を決断した。
スケボーパークや芝生広場も整備
敷地の海側には、色とりどりのアーバンスポーツエリアが新たに整備される予定である。
BMX(バイシクルモトクロス)やスケートボードの本格的なコース、子ども向けキックバイクゾーンなど。完成イメージには大型ビジョンが立ち上がり、映像と人が交わる開放的な空間が描かれている。さらに芝生広場や遊具も整備され、子どもから大人まで誰もが楽しめる“にぎわい空間”へと生まれ変わる。
一般客の宿泊開始は2026年春
バンクのすぐ隣には、競輪選手の宿舎を兼ねた新しいホテル棟も建設された。
レースが開催されていない時には一般客も宿泊できる。カフェやレストラン、大浴場を備え、サイクリストが快適に過ごせるよう客室には愛車を持ち込めるサイクルハンガーも設置。一般客の宿泊開始は2026年春を予定している。
竣工式で、広島市の松井一実市長は語った。
「競輪ファンはもとより、若者や家族連れがスポーツ・レジャーを楽しめる複合施設。地域のにぎわいや新しいスポーツ文化を創出する拠点となることを確信しています」
アーバンスポーツエリアなどの工事は続いているが、全体のリニューアルオープンは2026年3月の予定である。
(テレビ新広島)
