2026年2月8日に投開票される衆院選が公示され、鹿児島では4つの小選挙区に計13人が立候補した。自民、公明から自民、維新へと連立の枠組みが変わり、高市政権が高い支持率を維持する中、公明は立憲と手を組み「中道」を結成と、前回と様相が一変し、県内の選挙戦も新たな構図で展開している。
自民党に逆風続いた中、高支持率の高市政権へ
前回2024年の衆院選では自民党公認候補が県内で1勝3敗、2025年の参院選でも自民党候補は無所属候補に6万6000票余りの差をつけられ敗北した。しかしその後発足した高市政権が各調査で高い支持率を得る中、自民党関係者は「投票率が上がれば得票につながる」と高市政権の追い風に期待を寄せている。実際、出陣式では候補者も応援弁士も高市政権に触れ、支持を訴えていた。

一方、野党陣営は「予算を先送りにした解散は許されない」「県内の候補者は高市政権とは反対の方向を向いている」と批判を強めている。
「中道改革連合」結成で公明支持層はどこへ
今回の衆院選直前に発足したのが新党「中道改革連合」だ。26年間自民党と連立を組んできた公明党が、これまで「敵」だった立憲民主党と手を組んだ。前回の衆院選比例では、公明党は県内で約8万5000票を獲得し、自民、立憲に次ぐ3番目の票を集めた。

この支持者が、今回そのまま自民から中道の候補に動くとしたら相当な影響が予想される。公明党関係者は支援者への説明に奔走する中で「中道の支援を快く応じてくれた」と手応えを口にしている。立憲陣営も「公明党支持者の反応はいい」としながらも、「超短期決戦の中でどこまで浸透できるか」との懸念材料もあげている。
自民陣営からは「26年かけて築いたものが短期間でそこまで変わるのか」と公明党への期待を残しつつも、「公明票が見込めないなら無党派層の取り込みを狙うしかない」という声も聞かれる。
高市政権のもとで変わる連立の構図が鹿児島の選挙戦にどんな影響をもたらすのか注目される中、激戦が予想される2つの選挙区をみてみよう。
鹿児島1区: “敵”だった議員が応援に 前例のない選挙戦
鹿児島1区に立候補したのは以下の4人(届け出順。敬称略)
宮路拓馬(46)自民・前
牧野俊一(40)参政・新
小山慎之介(42)共産・新
川内博史(64)中道・前
与野党の前職2人に加え参政党、共産党新人の4人による争いとなった鹿児島1区。前回1区で勝利した川内氏は新党「中道改革連合」からの出馬で、これまで「敵」だった公明党議員が応援に回るという前例のない選挙戦となった。川内氏は「有権者と対話を重ねる選挙にしたい」と意気込む。
自民党の宮路氏は「前回は自民党議員の裏金問題で防戦一方だった」と振り返り、高市政権のもとで無党派層を取り込み議席奪還を狙う。
参政党の牧野氏は前回の参院選で17万票余りを獲得。「自民党の過半数獲得を敬遠し、政治の手綱を握る役割を果たす」と訴える。
共産党の小山氏は「他の候補者の政策はほぼ同じで安保法制廃止や原発再稼働への反対を掲げるのは共産党だけ」と主張、票の取り込みを狙う。
自民VS中道の戦いに加え、参政が保守層をどこまで取り込めるか、またこれまで野党共闘を図ってきた共産がどれだけ票を伸ばせるか、1区は混戦となりそうだ。

鹿児島3区:3度目の与野党一騎打ち
鹿児島3区に立候補したのは以下の2人(届け出順。敬称略)
野間 健(67)中道・前
小里泰弘(67)自民・元
与野党の一騎打ちとなった鹿児島3区。前回勝利した野間氏は今回中道改革連合から立候補した。「真ん中を行くと訴えてきた自分の考えにぴったり」と中道結成を歓迎しつつも、高市政権の高支持率を警戒し「死力を尽くした戦いになる」と気を引き締める。
一方、自民党の小里氏は前回落選後、「毎週辻立ちを重ね『県民との距離がここまであったのか』と気づかされた」と語り、県民の声を政策に反映させる姿勢を強調している。
3回目となる2人の一騎打ちの選挙戦に注目だ。

政権選択選挙と呼ばれる今回の衆院選。消費税をはじめとする物価高対策について訴える候補者も多く、有権者にとって身近な問題として捉えやすいのではないか。1月28日からは期日前投票も始まった。短期決戦の影響で投票所整理券の配達が遅れる地域もある中、投票所で名前や住所などが確認できれば期日前投票は可能だ。各候補者の声に耳を傾け、貴重な一票を投じてほしい。
(動画で見る▶鹿児島・注目選挙区を徹底解説 地方から読む“政権選択”の縮図)
