時代は20世紀後半、宇宙開発の波が来ていました。無重力状態で人の方向感覚はどうなるのかを調べるために、また猫で実験が行われました。

宇宙飛行士も応用

ジェット機を落下させ、無重力状態になったところで猫を空中で離したらどうなるかが試されました。猫にはまたまた災難です。

結果は、無重力状態にさらされた時間が5秒以内であれば、猫は正しい向きにきちんと回転して着地することができました。5秒より長いと成功率が下がり、Gが強くなると天井の方に着地する猫も現れたそうです。

宇宙飛行士も猫の空中立位反射を応用

宇宙で人間が体の向きを変えるのには、猫の空中立位反射の分析が役に立ちました。宇宙飛行士は体の向きを変えるとき、猫の動きを真似ています。猫は宇宙開発にも貢献していたのです。

猫を落として実験しないでね!(画像はイメージ)
猫を落として実験しないでね!(画像はイメージ)

ちなみに空中立位反射が起きるには4本の足がほぼ水平になっている必要があります。頭やおしりを下にして落とされたらいくら猫でも体勢を立て直せません。高いところから落ちたら足から着地できたとしてもダメージを負いますから、決して猫を落として実験しないでくださいね!

富田 園子(とみた そのこ)
編集&ライター。日本動物科学研究所所属。東京在住。

富田園子
富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所所属。
幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物の行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。哺乳類動物学者の今泉忠明氏に師事。現在は7匹の猫と暮らす。東京在住。