物理学では、空中でどこからも力が加えられていないのに物が重心を変えたり向きを変えたりできるわけがない、というのが常識。猫の空中立位反射はこれに反するわけで、多くの学者が複数の仮説を立て、議論したのです。
何度も落とされる災難に
実験のために何度も空中に落とされた猫は災難です。
やがて写真技術が発明され、猫の空中立位反射の連続写真が発表されても「見えないところでヒモか何かを使って猫を操っているのでは?」「猫を落とす人の腕を猫が蹴って力を得ているのでは?」と疑う学者が出る始末。そう、物理学で説明できないので猫の空中立位反射自体を否定しようとしたのです。
現在では、なぜ猫が空中で向きを変えることができるのかは物理学的にも解明されています。
私は物理学に明るくないので詳細を読んでもサッパリなのですが、要は「猫は腰を起点に体を畳んだり伸ばしたりして力を生み出していた」ということらしいです。何のことはない、硬くて動かない「物」ではなく、姿勢を変えることのできる動物なら空中で向きを変えるのは可能だという話です。
詳細については『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』(ダイヤモンド社)という400頁越えの本に掲載されています。興味ある人はご覧ください。
空中での猫の動きを分析するとこうなります。
【空中立位反射】
(1)腰を軸にまず上半身をひねり下に向ける
(2)落下中は無重力状態なので、上半身をひねる反動で下半身が逆に回転しまうため、それを避けるために後ろ足を大きく広げ、下半身の逆回転を減らす
(3)前足が下を向いたら大きく広げ、下半身も回転させて体全体で着地の衝撃を吸収する
