平川翔也アナウンサー:
TSKと山陰中央新報社のコラボ企画『カケル×サンイン』。共通テーマを同時に取材、テレビと新聞それぞれの視点でニュースの核心に迫ります。
今回のテーマは『地震』、1月6日に発生した島根県東部を震源とする最大震度5強の地震の発生から3月6日でちょうど2か月、またまもなく『3.11』、東日本大震災の発生から15年の節目を迎えます。
改めて『地震』について知り、備えにつなげます。
2回目の6日は、田中祐一朗記者とお伝えします。
田中祐一朗記者:
政府の地震調査委員会で、今後30年以内の発生確率が60パーセントから90パーセントと言われる南海トラフ巨大地震。こちらは2025年に内閣府が発表した最新の被害想定です。
神奈川県から鹿児島県までの太平洋側の広い範囲で震度6弱以上、静岡県から宮崎県までの沿岸地域約150市町村の一部で震度7が予想されています。この想定に基づく死者は全国で最大約29万8000人に上ると試算されています。
また津波による死者は、主に太平洋側で約21万5000人に上るとされています。
一方、山陰では地震や津波による死者はいないと試算されていますが、最大震度5強、1月の地震と同じ程度の揺れが想定されています。
ひとたび起きれば山陰にも影響が及ぶ南海トラフ地震。そのとき、何が起きるのか…専門家に聞きました。
話を聞いたのは、京都大学防災研究所の西村卓也教授。
地震研究の専門家です。
京都大学防災研究所・西村卓也教授:
揺れ自体がそこまで強くなくても、液状化して、例えば電柱が倒れたりとか、かなり道路がぐちゃぐちゃになったりとか、そういう可能性は十分あり得ます。
山陰では大きな揺れはないものの2分程度揺れが続き、液状化被害の恐れもあると指摘します。
この液状化による被害について、地質学や地震防災に詳しい島根大学の林広樹教授は、山陰で最大震度5を記録した1946年の昭和南海地震で現在の出雲市大社町で液状化が発生したことを例に、次の南海トラフ地震でも同様の被害が発生すると予想しています。
島根大学総合理工学部・林広樹教授:
液状化が起きる可能性はある。同じ場所で何回か起きている事案もある。一度起きたから大丈夫だとは思ってほしくない。
田中祐一朗記者:
2人の専門家は、地震の揺れそのものよりも液状化によって家屋などが倒壊する危険性を指摘していました。先ほどの政府の調査でも最大で島根県で400棟、鳥取県で300棟が液状化の被害を受けると試算しています。
一方で、地震による影響として、被災地からの避難者の受け入れが課題となっています。地震発生1週間後の避難者数は、全国で最大1230万人、このうち、島根県に2300人、鳥取県に2700人の避難者が発生すると試算され、被災の状況によっては広域避難者が加わる可能性も指摘されています。
京都大学防災研究所・西村卓也教授:
もしかすると、避難の方も来る可能性もあるかもしれませんし、いろいろなことを想定していかなければいけないのかなという風には思います。
京都大学防災研究所の西村教授は、地震による交通インフラの麻痺が想定され、実際にどのくらいの避難者が発生するか見極めは難しいとしながらも、さまざまな可能性を想定して、行政などが備えを進める必要があると指摘します。
島根・鳥取両県とも広域避難者への対応は過去の大規模地震の事例を基に対応するとしていますが、具体的な規模について想定はなく、これから備えを進めることになります。
島根大学総合理工学部・林広樹教授:
防災は社会における貯金なんですよね。ちょっと余裕があるときに考えておきましょうという積み重ねなんですよ。各家庭レベルとか自治体、自治会、町内会レベルくらいで、そういうことを考えていただけるといいのかなと。
田中祐一朗記者:
交通インフラの機能が停止すれば物流も止まり、直接の被害がなかったとしても生活への影響は避けられません。
家具の固定、備蓄品や非常持ち出し品の準備、家族との連絡手段の確認や避難ルートの確認、ハザードマップや避難場所の確認、防災訓練への積極的な参加など日ごろから備えをしておくことが大切です。
来週の3月11日は、2011年の東日本大震災から15年の節目を迎えます。この機会に、改めて地震への備えについて考える必要がありそうです。