白や黒、茶トラや三毛など、猫の毛柄はなぜここまで個性豊かなのでしょう。それぞれの模様は偶然の産物かもしれませんが、色の発現は遺伝子の複雑な組み合わせで決まるようです。

猫の毛柄のヒミツや性格の違いなどについて、猫の生態に詳しい富田園子さんに5回にわたる連載で教えてもらいました。

毛柄に関わる遺伝子は100個以上

子猫はなぜ一緒に生まれたきょうだいなのに毛柄が違うのだろうと不思議に思うかもしれません。

きっとそれは人間でいう一卵性双生児をイメージしているからではないでしょうか。

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一卵性双生児ははじめ1つの受精卵だったのが途中で2つに分離して生まれます。ですから全く同じDNAを持ちますし見た目もそっくりです。

比べて、二卵性双生児は一卵性双生児ほど似ていませんし、性別が異なる場合もあります。なぜなら初めから別々の受精卵だったからです。

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卵子には母親の遺伝子の半分、精子には父親の遺伝子の半分が入っていますが、卵子Aと卵子Bがもつ遺伝子は同じではありません。精子についても同様です。それぞれ異なる遺伝子が入った卵子と精子が組み合わさるので、別々の毛柄になることに不思議はありません。

毛柄に関わる遺伝子は100個以上あるといわれ、どの遺伝子を子猫が受け継いだかで毛柄が決まるのです。