ところで最近、猫の寝姿について驚きの発表がありました。猫が横向きに寝ているときは、たいてい左側を下にしているというのです。

左側を下にして寝る理由

イタリアやドイツの研究者が301本の猫の動画を調査したところ、63.8%もの猫が左側を下にして寝ていたのです。

この理由を研究者は「左目の方が異変を察知しやすいためではないか」と推測しています。

左側を下にして寝る猫(画像はイメージ)
左側を下にして寝る猫(画像はイメージ)

詳しく説明すると、右脳と左脳はそれぞれ得意分野があります。危険を察知するのに長けているのは右脳。そして右脳と結びつきが強いのは左目です。つまり左目の視野を広くしておいた方が敵などの異変に気付きやすくなります。

右側を下にして寝ると、左目の視界の左側は自分の体で遮られてしまいます。それだと異変に気付きにくくなってしまうので、左側を下にして寝る猫が多いのではないかと推測されます。

右側が下だと左目の視界が体で遮られる(画像はイメージ)
右側が下だと左目の視界が体で遮られる(画像はイメージ)

実は左目の方が異変に早く気付くという現象は犬や馬のほか、トカゲやカエル、ニワトリにも見られます。シェルターにいる保護犬はやはり体の左側を下にして眠ることが多いという報告もあります。万一の時に備えて左目の視界を開けておこうという本能は多くの動物に共通するのかもしれませんね。

富田 園子(とみた そのこ)
編集&ライター。日本動物科学研究所所属。東京在住。

富田園子
富田園子

編集&ライター、日本動物科学研究所所属。
幼い頃から犬・猫・鳥など、つねにペットを飼っている家庭に育つ。編集の世界にて動物の行動学に興味をもつ。猫雑誌の編集統括を8年務めたのち、独立。哺乳類動物学者の今泉忠明氏に師事。現在は7匹の猫と暮らす。東京在住。