聞き役という形で役に立っているとうれしいと感じるのは、役に立ってようやく自分はそこに居てもいいと思えるということでもあって、何かの役に立たないとただ居てもいいとは思えず、落ち着かないという一面もあると思う。

感情や思考がわからなくなる悪循環

自分の話ができなくて、自分の感情や思考が自分でもわからなくなってしまう。わからないから、より話せなくなる。そんな悪循環がうまれている。

感情は、必要なときに都合よく出そうと思っても急に出てくるものではない。本来は泉のように自然と湧き出てくるもので、それはちょろちょろ出たり、ときに噴水のように出たりもする。

思考は、誰かから聞いた言葉に付箋を貼って集めるものではない。自ら考え始めると水車のように回りながらすこしずつ深まっていくものだ。

自分の感情を知り、出すことも大事(画像:イメージ)
自分の感情を知り、出すことも大事(画像:イメージ)

そして、自分の感情と思考は循環する。蓋をして、感情と思考が出てこないようにしていると、いざ出そうとしても突然湧くことはないし、巡らない。大事にせずに放置していると、泉は涸れ、水車も止まってしまうのだ。

聞き役として誰かの役に立つことよりも、自分の感情や思考を知っている方がどう考えても大事だ。相手がどう思うかを重視しすぎて、自分がどう思うかわからなくなっても、誰のせいにもできない。泉を潤し、水車を回すのは、自分にしかできないのだから。

まずは自分と仲良くしよう

自分の感情や思考に「価値がないから出てきてはいけない」と許可を出さず、蓋をして抑えてしまうのは、自分に対してとても意地悪で、かなり仲が悪い状態だと言える。